梵釈寺(ぼんしゃくじ)は、滋賀県東近江市にある黄檗宗の寺院。山号は天龍山。
古くは小さな庵で天和年間に再興され、享保13年(1728年)に黄檗宗大本山である萬福寺の末寺となった。安永5年(1776年)には鐘楼が建立されている。
ところが同寺の創建年代は不詳で石塔から鎌倉時代末期の嘉暦3年(1328年)にまで遡れること、近くの寺の鐘楼にはこの寺が桓武天皇によって建てられたとする記録があること、本尊が平安時代のものと見られる木造の観世音菩薩像であることから、本尊が古代の梵釈寺のものとする伝承が生じた(黄檗宗は江戸時代になって初めて日本に伝えられた宗派であるため、平安時代の本尊とのつながりは考えられないとされている)。
後に本尊が国の重要文化財に指定されて学術調査が行われた結果、実はこれが天台宗で見られる常行堂宝冠阿弥陀如来像であり、円仁が唐より持ち帰ったとされる阿弥陀五尊像を元に遅くても平安時代中期までに天台宗寺院でまつるために作られたものと判明した。しかし、これが古代の梵釈寺のものであるとする確証はなく、また蒲生郡と志賀郡が離れていることから、蒲生郡にあった別の古代寺院のものとする考えもあり、両者の関係は不詳である。