海辺のカイン
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浜辺の町に住むファッションデザイナーの佐野は、ある日公園で、蛇口から水を飲もうとしている女性、展子と出会う。気軽に彼女を自宅へ誘った佐野は、帰りぎわに展覧会のチケットを渡す。展覧会では人気のデザイナーに負い目を感じる佐野だが、展子は彼女のデザインが好きだという。帰り道、展子は女らしい服装ができない悩みについて打ち明ける。一人暮らし同士ゆえ、しばしば会うようになった二人はお互いの過去を話す。母に愛されていないという展子に佐野は「私が先に死んだら良いことがおきるよう念じる」といった。こうして悩みを打ち明けアドバイスをもらううち、展子は佐野に好意を抱くようになる。気持ちが徐々に晴れていった展子は、母の元に今まではけなかったスカートをはいて現れ、うしろめたい気持ちをすっきりさせる。そして佐野が展覧会で賞をとった祝いの席で、展子は佐野が好きだと打ち明ける。酔った二人はその晩、肌を重ねた。しかしそれは展子にとっては愛のためでも、佐野にとっては好奇心からだった。うろたえる佐野と展子の心はすれ違ったまま、展子は浜辺の町を去って行った。