Wikiwand AI

消防吏員

階級を有する消防職員 From Wikipedia, the free encyclopedia

消防吏員(しょうぼうりいん)とは、消防本部に勤務する消防職員のうち、消防組織法及び市町村の規則に基づく階級を有する者をいう。一般に「消防士」や「消防官」などと呼ばれる職員を含むが、「消防士」は消防吏員の階級の名称でもある[注釈 1]。

有毒ガスを検知する消防吏員(札幌市消防局)
東日本大震災の被災地で活動する消防吏員

概要

消防組織法上、「消防職員」は消防吏員その他の職員をいう。消防吏員の階級、訓練、礼式及び服制については、消防庁の定める基準に従い、市町村の規則で定めることとされている[1]。

消防吏員は、消防本部及び消防署において、消火、救急、救助、火災予防、火災調査その他の消防事務に従事する。

消防職員は、消防吏員だけで構成されるものではなく、消防本部の事務その他の業務に従事する職員を含む。したがって、「消防職員」と「消防吏員」は同義ではない。

消防吏員は地方公務員であり、その任用、給与、分限及び懲戒、服務その他の身分取扱いについては、消防組織法に特別の定めがある場合を除き、地方公務員法による[1]。

階級

消防吏員の階級は、消防庁が定める「消防吏員の階級の基準」(昭和37年消防庁告示第6号)に定められている。同基準第1条は、次の9階級を規定している[2]。

さらに見る 順位, 階級 ...
閉じる

なお、市町村は、特に必要があると認める場合、消防士の階級を「消防副士長」と「消防士」に区分することができる[2]。したがって、消防副士長は上記9階級とは別に、市町村の規則により設けることができる区分である。

消防長の階級

消防長の階級についても消防吏員の階級の基準に定めがある。

さらに見る 階級, 消防長となることができる消防本部 ...
階級消防長となることができる消防本部
消防総監特別区の消防長
消防司監指定都市又は人口70万人以上の市町村の消防長
消防正監消防吏員200人以上又は人口20万人以上の市町村の消防長(指定都市等を除く)
消防監消防吏員100人以上又は人口10万人以上の市町村の消防長(上位区分を除く)
消防司令長上記以外の市町村の消防長
閉じる

この基準は消防庁告示によるものであり、消防組織法第16条第2項により、市町村は消防庁の定める基準に従って消防吏員の階級を規則で定める[1][2]。

消防庁は、消防吏員の階級の基準に適合しない階級を使用している消防本部について、消防組織法第16条第2項の趣旨から、規則改正等による基準への適合が必要であるとの通知を発出している[3]。

職務

消防吏員は、消防本部及び消防署において、火災その他の災害への対応、救急、救助、火災予防等の消防業務を担う。

消防法では、消防長、消防署長その他の消防吏員について、火災予防のための措置命令、危険物に関する職務、火災現場における消防警戒区域の設定、消火・延焼防止・人命救助のための必要な措置などについて一定の権限を定めている[4]。

消防吏員の権限は消防法その他の法令に基づくものであり、警察官と同一の捜査・逮捕権限を一般的に有するものではない。

勤務体制

消防職員は、火災その他の災害への出動に備えて24時間即応体制を維持する必要がある。このため、勤務体制は毎日勤務と交替制勤務に大別される。交替制勤務には2部制、3部制などがある[5]。

勤務時間、休日、休憩その他の勤務条件については、地方公務員としての一般的な制度に加え、消防業務の特殊性を踏まえて各市町村等の条例・規則により定められている[6]。

消防吏員と消防団員

消防吏員は、消防本部に勤務する常勤の地方公務員である。

これに対して消防団員は、消防団に所属する者であり、消防組織法上、消防団長その他の消防団員の制度が設けられている。消防吏員と消防団員は、いずれも消防活動を担うが、身分及び組織上の位置付けは異なる。

消防吏員と消防職員

「消防職員」は消防吏員その他の職員を含む概念である。したがって、

  • 消防職員
    • 消防吏員
    • その他の消防職員

という関係になる。

消防組織法第16条第2項は、消防吏員について階級、訓練、礼式及び服制を消防庁の定める基準に従って市町村の規則で定めることとしている[1]。

消防吏員の教育訓練

消防吏員を含む消防職員は、消防学校等において必要な教育訓練を受ける。

消防組織法は、消防庁の事務として消防職員及び消防団員の教養訓練に関する事項を定めるとともに、都道府県等における消防学校による教育訓練の制度を定めている。

表彰

消防吏員は、消防業務における功績等に応じて、消防庁長官表彰その他の表彰を受けることがある。

消防庁長官表彰は、消防表彰規程(昭和37年消防庁告示第1号)に基づき、消防業務に従事し功績等が顕著な消防職員、消防団員等を対象として行われる[7]。

沿革

日本の消防制度は、戦前には警察行政との密接な関係の下に置かれていたが、戦後の消防制度改革により自治体消防を中心とする制度へ移行した。

現在の消防吏員の階級制度は、消防庁が定める「消防吏員の階級の基準」を基礎として、市町村の規則によって具体化されている[2]。

脚注

関連項目

Related Articles

Timelines

Top Qs

Fact Checks