●後撰和歌集
・巻6-277 母の喪に服して里に居た時に、先帝から文が届いたことへの返歌
「さみたれに ぬれにし袖に いととしく つゆおきそふる 秋のわひしさ」
(五月雨の季節から母親との別れの悲しみの涙で濡れてしまった袖。その濡れたままの袖にたくさんに露が置き添えている、そのような秋のわびしさです。)
●新古今和歌集
・巻13-1172 醍醐天皇が近江更衣へ送った歌(1171番歌)に対する返歌
「朝露の おきつる空も 思ほえず 消えかへりつる 心まどひに」
(朝露が葉に置いた空の景色さえも、記憶にございません。ただ消え入りそうなほど、心が乱れてしまっておりますので…)