亡き母もピアニストだった卓紘子は、音楽大学の入学金を貯める為にアルバイトに励んでいたが、クラリネット奏者だった父、道一が盗難事件の濡れぎぬを着せられて退団し、今では心臓を悪くしてクラリネットも吹けなくなったことを知る。鉱子はすべての貯金を父を助けるために使うのだった。厳しい江戸に師事し、入学した音楽大学で、寮生活になじめずにいた紘子をいたわってくれたのは、山口という女子学生だった。指を怪我した紘子はそれを克服し、父にオーケストラのオーディションを受けてもらうよう説得し、父がクラリネットを吹くオーケストラで、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番を弾きとおすのだった。