アンホ爆薬
硝酸アンモニウム(硝安)と燃料油(引火点50℃以上)からなり、他の火薬、爆薬、金属粉等を含まない爆薬で工業雷管または電気雷管で起爆しない爆薬
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規格
組成
主成分の硝安は軽油を良く吸収するように多孔質プリル状のものを使用する。これは硝安製造工場で高い塔頂から熱溶融硝安をスプレーし、落下中に冷却して粒体にする。硝安は保存中に空気から湿気を吸い固化する性質があるので有機防結剤を添加するが、法規上0.2%以下と規定されている。硝安単体では衝撃や摩擦に対して鈍感だが[3]有機物があると爆発性が増し危険なためである。またアンホは雷管では起爆されないことが法規上の絶対条件であるが、ある種の有機防結剤は製品アンホの雷管感度を上げてしまう。
燃料油
アンホ爆薬には通常軽油が使用される。これは、揮発分が少なく粘性が低く、引火点が高いためである。使用時には多孔質の硝安ブリルに浸透し、伝爆の衝撃によって分解轟爆することで硝安単体での使用に対して約三倍の爆発エネルギーを放出する[4]。
歴史
アンホ爆薬が発明されたのは1950年代であるが、発明者は不明で、製法の特許も存在しない。ただし当時北米ではロバート・アッカーやメルヴィン・クックが硝安と種々の物質を組み合わせた安価な爆薬の特許を多数取っている。特にクックは硝安と水、鋭感剤といった比較的入手性の高い原料から作られるスラリー爆薬をカナダの鉱山で実用していたこともあり、誰かがディーゼル燃料として入手性の高い軽油と硝安を混ぜてみたのであろう。アンホ爆薬の初めての使用は1954年メサビ鉄山の露天掘り鉱山であったと記録に残る[5]。特許が無いため北米から世界に急速に広まった。日本では1961年に愛知県の田原鉱山で初めて実用化試験が行われ[5]、1964年に爆薬として法制化され製造が始まった[5]。
普及
ダイナマイトより安全かつ安価なので砕石などの坑外発破に急速に使用を広げた。最初は既存のダイナマイト製造者がアンホを製造し、ダイナマイトと同様に一本ずつ包装していた。しかし、それではアンホの利点を利用できないので、発破業界で製造し、袋詰めなどのバルクで発破現場に運搬し、発破孔に注入するようになった。さらに火薬類取締法の改正で移動式製造機の使用が可能になり、肥料硝安と軽油から発破現場で製造するようになったことで、アンホの利点を完全に享受できるようになった。
アンホがダイナマイトと製造量で比肩したのは1973年であり、最近ではダイナマイトの約3倍以上の量が使用されている。地域によってはこれを使った密漁が横行しており、材料がどこでも入手可能なため取締りが困難である。
テロリストが用いる安価な兵器のひとつであり、車爆弾や即席爆発装置と言った攻撃手段の主たる爆薬として用いられる場合も多い。(ノルウェー連続テロ事件など)

