初期社会学における総合社会学の構想は、明確な方法論を打ち立てることができず、科学的な分析の視点が欠落していたところから、社会全体のトータルな把握は難しいものと思われた。そこで、コントやスペンサーの未成熟な総合社会学を、新たな体系として再定義したのがエミール・デュルケームである。
デュルケームは、「社会的事実を物のように観察する」ことによって社会の実態を客観的に捉え、その成果を各学問分野に生かしていくことが社会学の課題だと考えた。つまり、彼はあらゆる学問分野をつなぎ合わせる役割を負うのが社会学であると考えたのである。そのような発想から、デュルケームは総合社会学を3つの分野からなる体系であると定義づけた。
- 社会形態学:社会を客観的な形・状態から捉えるもので、例えば、人口の大小、地域的な密集度、どのような住居であるかといった形態学的な視点に立つ社会学体系の基礎的な部分を成す。
- 社会生理学:社会における習俗、集団成員の意識・行動の傾向など、社会や集団の機能的な部分を研究する分野で、社会形態学がハードの部分を扱うのに対し、社会生理学はソフトの部分を扱うということができる。
- 一般社会学:社会形態学と社会生理学それぞれの特殊研究を理論的に統合する分野。