脱灰とは、歯のエナメル質や象牙質からリン酸カルシウムの結晶が溶出する現象である。
歯の外郭を覆うエナメル質の大半を構成している物質はハイドロキシアパタイトと呼ばれ、化学式Ca10(PO4)6(OH)2で表されるリン酸カルシウムの一種である。化学的性質は、弱アルカリ性(pH7-9)で、酸には良く溶ける性質がある。砂糖などを摂取すると口内に細菌のバイオフィルム(プラーク)が形成され、この中で酸(H+)である乳酸を生成する細菌があるため、
Ca10(PO4)6(OH)2 + 8H+ ⇒ 10Ca2++ 6(HPO4)2- + 2H2O
という化学式が成り立ち、その結果このハイドロキシアパタイトが失われてゆく。この現象は溶ける際にカルシウムイオン10Ca2+を溶出することから脱灰といい、脱灰が進行するとエナメル質に穴があき、う蝕(虫歯)となるのである。