原題の Against the Day は「裁きの日に備えて」という意味で、聖書や、ジョン・ミルトンの『失楽園』などの文学作品に登場する。
本書の最重要テーマの一つは光や写真術であり、これと関連した文脈にフランス語で contre-jour という語がある。これを英語に直訳すると against the day[daylight] であり、日本語では「逆光」を意味する。
against the day には「時流に逆らって」という意味もある。無政府主義の爆弾テロ一家を中心に据えた本書は2006年に刊行され、対テロ戦争に沸き立つ2000年代アメリカの時流に逆らっている。
以上3つのうち、どの意味が出るような訳題にすればよいか、日本語版の翻訳者の木原がピンチョン本人に尋ねたところ、「逆光」の意味が出るようなタイトルが良いとの回答であった。