人狐

From Wikipedia, the free encyclopedia

人狐(ひとぎつね、にんこ、じんこ)は、中国地方に伝わる憑き物

人狐は「ニンコ」の読みで民間に伝わっていたことはラフカディオ・ハーンの伝聞よりうかがえるが[1]、この風習を批判した『伯州雲州人狐弁惑談(じんこべんかんだん、1818年)[2][3]からも明らかなように、「ジンコ」とも読め、出雲国伯耆国に限定された名称だとも示唆される。

山陰地方は人狐伝承の「本場」と中村禎里は位置づける[4]。地域のとある家系を「狐持ち」・「人狐持ち」と噂するようになったのは、やはり山陰地方中部が発祥とされている[5]。山根与右衛門の著書『出雲国内人狐物語』(1786年成立)によれば、人狐伝承が起こったのは享保年間(1710年代頃)富農小作人の確執があり、制裁に業を煮やした者らが富農家にたいして「人狐持ち」の悪い噂を広めたことに始まる、と説かれる[6]

しかし民族研究者の倉光清六の説では、「人狐」は農民の造語ではなく、修験道者の入れ智慧だとする。そもそも他地域と同じく「ゲドウ」と呼ばれていたはずだが、出雲の「法印」たち(高位の山伏[7])が「人狐」というもっともらしい(いかにも学術的な[8])名前をつけたのだろうと断じている[9]。また、狐を「天地人三才」に配すれば、「天狐・地狐・人狐」という語は安易にできあがる、とも考察する[10][11]

平田篤胤(1843年)の死後刊行『古今妖魅考』にも天狗についてふれるおり「天狗に天狐、地狐、人狐の別ありて」とみえる[12]

概要

脚注

関連項目

Related Articles

Wikiwand AI