棘孔

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日本語 棘孔
英語 foramen spinosum
ラテン語 foramen spinosum
上位構造 蝶形骨
骨: 棘孔
蝶形骨の内面。棘孔は左下の説明のうち下から2番目のforamen spinosumである。
頭蓋底英語版の図。蝶形骨が黄色で示されている。棘孔は蝶形骨側頭骨(ピンク)との境界付近にあり、蝶形骨が側頭骨に対して右下に出ているところ(蝶形骨棘)付近にある。
名称
日本語 棘孔
英語 foramen spinosum
ラテン語 foramen spinosum
関連構造
上位構造 蝶形骨
体系 骨格系
関連情報
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棘孔(きょくこう、英語: foramen spinosum)は、頭蓋骨に存在する英語版の一つである。蝶形骨大翼英語版に存在しており、孔の中を中硬膜動脈・静脈、下顎神経硬膜枝が通過する[注 1]

棘孔は他の頭蓋骨に存在する孔と近い位置にあるため、脳神経外科における目印にされることがある。棘孔の存在は18世紀にヤコブ・ウィンスロー英語版によりその存在が初めて記載された。

通過するもの

棘孔は頭蓋骨を構成する蝶形骨大翼に存在する小さいである[1](p509)。上は中頭蓋窩英語版に、下は側頭下窩英語版に交通している[2]

棘孔には中硬膜動脈とそれに伴走する中鉱脈静脈が通過する[1](p442)。また、下顎神経硬膜枝が通過することもあるが、この神経は代わりに卵円孔を通過する場合もある[1](p364, 496)

他の構造との関係

頭蓋骨の内頭蓋底英語版を表した図。うち、Foramen spinosumが棘孔である。

棘孔は蝶錐体裂英語版のすぐ前側に存在している[1](p509)。また、卵円孔の後外側にあり、蝶形骨棘英語版の前側にある[2]

棘孔の前外方には中硬膜動静脈が通過する中硬膜動脈溝という頭蓋骨に存在する溝状の構造が伸びている[1](p509)

破格

棘孔はヒトによって大きさと位置が変化しうる。ふつうは片方に一つずつ存在するが稀に棘孔がない破格(解剖学的変異)が存在する。このような場合、本来棘孔を通る中硬膜動脈は卵円孔を通ることで頭蓋腔英語版へ入れるようになる[3]。孔が貫通していない、または部分的に貫通していない不完全な状態は半数のヒトに見られるといわれている。1%未満という稀な確率で棘孔が2つとなることがあり、中硬膜動脈の分枝が基部に近いために起こる[3][4]

棘孔は蝶形骨棘の先の方やその内側縁に開くこともある[4]。第1咽頭弓から発生し正常では蝶形骨棘に付着する蝶下顎靱帯英語版が棘孔に付着する破格もある[4][5]

発達

新生児期は棘孔の長径は約2.25 mm長であり、成人になると2.56 mm程度になる。一方で短径は新生児期は1.05 mmであるが成人になると2.1 mmほどになる[6]。別の研究によると成人での棘孔の直径の平均は2.63 mmである[7]。ただし、2021年の研究ではそれよりもやや大きく約3.3 mm程度であることが報告されている[8]。卵円孔からの距離は約3-4 mm程度である[9]。棘孔は楕円形をしているが、正円形をしている時期もあり、生後8か月から7歳程度までであると報告されている。棘孔を含め多くの頭蓋に存在する孔は丸みを帯びている[7]

他の動物

他のヒト科の動物において、棘孔は蝶形骨ではなく側頭骨の一部として確認される。側頭骨鱗部英語版蝶鱗縫合英語版の付近にあるか、またはそもそも存在しない[4][10]

機能

棘孔の役割は中硬膜動静脈、下顎神経硬膜枝といった脈管・神経を通過させることである[4][11]:763

臨床との関連

棘孔は位置が特徴的であるため、脳神経外科における目印として利用されることがある。棘孔を目印とすることで卵円孔や正円孔のような他の孔や、下顎神経三叉神経節英語版などの位置を推定できる。術中のホメオスタシスを維持するときにも利用されることがあり[4]、中硬膜動脈の結紮時などに有用である[12]外傷外科手術においては頭蓋腔への出血を減らすために行われる[4]

歴史

棘孔はデンマークの解剖学者、ヤコブ・ウィンスロー英語版によりその存在が18世紀に初めて記載された。蝶形骨棘の付近にあることから棘孔と命名された。しかし、曲用の誤りにより、そのままの意味では「棘の多い孔」を意味するforamen spinosumとなっている。使用されていないが、命名の意味を考えた正しい命名はforamen spinaeである[4]

脚注

関連項目

外部リンク

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