自噴
被圧帯水層中に掘られている井戸
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自噴の仕組み

地中の帯水層の上に透水性の低い地層(加圧層)が重なっている地域において、その帯水層のポテンシャルが地表面よりも上位にあった場合[注釈 1]、この帯水層に地表まで通じる穴(井戸など)では、帯水層中の地下水は自然に地表に湧出する[1]。これが自噴である。
また地下水(または温泉)に溶存するガスが井戸孔内の水頭低下により、井戸孔内において気体となり、これが地表へ噴出することにより地下水や温泉の自噴現象が発生する場合もある。
なお地下水の流出域(崖沿いなど)では被圧地下水ではなくとも、地形と地下水位によって地下水が泉となって自噴することもある。従って、自噴していることは、被圧している地下水が湧出しているとは一概には言えない。
自噴井
自噴井(flowing well, flowing artesian well)とは、その井戸の取水対象の地下水が、人為的な動力によらず、自ら地表(孔口)に噴出する井戸のことを言う。
被圧地下水による自噴井が多く集まっている地帯の大規模なものを鑚井盆地(さんせいぼんち、アーテジアン・ベイスン、Artesian Basin)という。
地下水分野では、自噴井は単に「自然に湧く井戸」というだけでなく、掘削された孔内を地下水が自然に上昇し、井戸口元で湧出する井戸として整理される。内閣官房水循環政策本部事務局の地下水用語集でも、全水頭が地表より高い位置にある被圧帯水層まで掘り抜いた場合に見られるものと定義されている[2]。一方で、愛媛県西条市の解説では、多くの被圧地下水は被圧されていても自噴には至らず、自噴帯の成立には難透水層の分布、地下水を地表面より上位まで押し上げる地質構造、さらに十分な涵養条件が関わるとされている[3]。このため、自噴井の説明では、井戸の構造による湧出と、地形上の流出域で見られる湧水・自噴泉の現象とを区別して記述する余地がある[2][3]。[独自研究?]
また、自噴井は成立すれば常に同じ量で湧き続けるわけではない。黒部川扇状地の自噴井を対象とした5年間の継続観測では、自噴量は概ね安定しつつも季節変化を示し、7月から9月に増加し、1月から3月に減少し、地点によっては冬期に 0 L/min となる例も報告されている[4]。さらに富山県では、自噴井戸が生活用水、地域の共同洗い場、観光やまち歩きの拠点として利用される一方、未利用のまま流出する水量が大きく、自噴量の減少、自噴の停止、塩水化が懸念されるとして、節水バルブ等による保全対策が進められている[5]。自噴井は、地下水の自然湧出を示す現象であると同時に、地域の地下水環境の変動と管理を映す対象でもある[4][5]。
自噴泉
自噴泉とは、井戸などの人為的な構造物ではなく、地表に地下水(または温泉)が湧出している場所のことを言う。一般に言われる泉は、この現象である。
自噴泉とは対称に動力泉という湧泉がある。これはポンプなどで人為的に地下水を汲みあげる泉を言う。
