新第三紀

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新第三紀(しんだいさんき、英:Neogene period)は、2,303万年前から258万年前までにあたる[1]地質時代の一つ。鮮新世、中新世の2つの世に区分される。

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名称

英名の「Neogene」は、「新しい」を意味する「neo」、「起源」「由来」「系統」「種」などを意味する「gene」というギリシャ語か由来である[2]。この名称は、1853年オーストリア古生物学モーリッツ・へルネスドイツ語版が中新世と鮮新世を包括する用語として、ウィーン盆地の岩石層の研究で初めて用いた[3][4][5]。へルネスは、「Neogene」を、より古い新生代岩石層と区別した。

日本語では、「Neogene」は「新第三紀」と訳され[6]、2009年の新定義批准後も当面のこととして「第三紀」を含む訳が踏襲されている[6]。これに対して「新成紀」「新獣紀」など、訳語を改定するいくつかの提案がなされているが、方針化はまだなされていない[7][8]

大陸

新第三紀は世界的な大海進の時代で、海が大陸上に広がり、各地に海成の新第三系を堆積した。

アルプス・ヒマラヤ地帯は古第三紀の造山運動を経て、新第三紀初頭から山脈の隆起が始まり、その後期には大山脈を形成するに至った。また、激しい火山活動を伴って弧状列島がこの時代に形成され、水陸の分布が現在に非常に近くなる[5]北アメリカコルディレラ山系アンデス山系も同様で、特にシエラネバダ山脈アンデス山脈の隆起は新第三紀以後の変動である[9]インドユーラシアに衝突し、アフリカオーストラリアが北上したことで、北緯20-30度付近の中緯度高圧帯付近に大陸が配置される形になる[10]

日本でも、中新世の海成層は広く分布し、ことに関東地方以北の東北日本に広い。その下部は、変質した火山岩類を主とし、一般にグリーンタフと呼ばれている。この時代には日本列島の大部分が海底となった。現在の日本列島の概形ができたのも新第三紀である[5]

気候

中新世の前期は世界的な温暖期であった。日本でも中部地方までが熱帯的となり、黒潮が北海道中部にまで及んでいた。このような温暖期はごく短期間しか続かず、中新世中期に終わりを告げる。その後気候は寒冷化傾向を強め、新第三紀末には、極域だけでなく中緯度の高山にも氷河が形成されるようになった[5]

生物相

新第三紀の生物界は、生物相が古第三紀に比べて大きく変わり[11]、現在では絶滅した種が多いとはいえ、現生種と系統的に近縁なものが多い[5]。この原因として、草本植物イネ科が拡大したことが挙げられる。イネ科の発展は、これをエサにした偶蹄類などの発展を促した[12]。中新世中期の1500万年前、大量絶滅が起きている[9]

動物界

哺乳類では草食動物長鼻目カモシカウシなどの偶蹄目、ウマなどの奇蹄目が大型化した。それに伴ってこれを捕食する肉食動物も、大型のネコ科など[9]、現代型のするどい犬歯や稜の強い臼歯をもった大型のものが発展した。大型の類人猿が出現し、人類の祖先とされるサヘラントロプス・チャデンシスが登場したのもこの頃である[5]。草食動物の繁栄は、地球を温める環赤道海流の消滅、地球を冷やす周極海流の成立、乾燥化の進行により、平原が構築されたことで、草原が拡大したことが大きい[10][12]。海生の貝類でも、アサリハマグリホタテガイなど[9]、現在なじみの深い多くの種類が新第三紀の初頭に出現し、発展を続けて現在に至っている。有孔虫もこの頃栄えた[5]。また、史上最大級の捕食者魚類としてメガロドンが君臨した[13]

植物界

植物界は、草木植物やイネ科の拡大で、古第三紀と大きく様相が変わる[12]。ウシやウマなど草食動物の繁栄にともない、捕食から逃れるため、草食動物に対抗した植物が出現。イネ科やキク科のように、プラント・オパールと呼ばれる石英質粒子(細かい砂粒)を作る植物が進出・放散した[10]気候帯の分化や地域化が著しくなり、中生代白亜紀よりも現代的な様相をもつ[9]。古第三紀には高緯度地方まで広がっていた熱帯植物は、現在の熱帯や亜熱帯まで後退した。北半球では、寒帯で落葉樹が、南半球ではブナが主体となる[12]。新第三紀と古第三紀を通じてツンドラ針葉樹林、落葉樹林、草原、熱帯雨林という主要な植物区分がはっきりと確立されるようになった[11]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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