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1,2-ジブロモエタン

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1,2-ジブロモエタン (1,2-Dibromoethane)は分子式 C2H4Br2、構造式 CH2Br−CH2Br で表される有機化合物である。藻や昆布などにより少量が合成されるため海にごく微量が存在しているが、大半は人工的に合成されている。無色の液体で甘い臭いがする。

概要 物質名, 識別情報 ...
1,2-ジブロモエタン
1,2-Dibromoethane
Skeletal formula of 1,2-dibromoethane
Skeletal formula of 1,2-dibromoethane
Skeletal formula of 1,2-dibromoethane with all explicit hydrogens added
Skeletal formula of 1,2-dibromoethane with all explicit hydrogens added
Spacefill model of 1,2-dibromoethane
Spacefill model of 1,2-dibromoethane
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
バイルシュタイン 605266
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.003.132 ウィキデータを編集
EC番号
  • 203-444-5
KEGG
MeSH Ethylene+Dibromide
RTECS number
  • KH9275000
UNII
国連/北米番号 1605
性質
C2H4Br2
モル質量 187.862 g·mol−1
外観 無色の液体
匂い ほのかに甘い[2]
密度 2.18 g mL−1
融点 282.5 to 283.3 K
沸点 402 to 406 K
0.4% (20 °C)[2]
log POW 2.024
蒸気圧 1.56 kPa
14 μmol Pa kg−1
屈折率 (nD) 1.539
熱化学
標準定圧モル比熱, Cp⦵ 134.7 J K−1 mol−1
標準モルエントロピー S⦵ 223.30 J K−1 mol−1
標準燃焼熱 ΔcHo −1.2419–−1.2387 MJ mol−1
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
発がん性物質[2]
GHS表示:
急性毒性(高毒性) 経口・吸飲による有害性 水生環境への有害性
Danger
H301, H311, H315, H319, H331, H335, H350, H411
P261, P273, P280, P301+P310, P305+P351+P338
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NFPA 704 four-colored diamondHealth 3: Short exposure could cause serious temporary or residual injury. E.g. chlorine gasFlammability 0: Will not burn. E.g. waterInstability 0: Normally stable, even under fire exposure conditions, and is not reactive with water. E.g. liquid nitrogenSpecial hazards (white): no code
3
0
0
引火点 104 °C (219 °F; 377 K)
致死量または濃度 (LD, LC)
  • 55.0 mg kg−1 (経口, ウサギ)
  • 79.0 mg kg−1 (経口, ニワトリ)
  • 110.0 mg kg−1 (経口, モルモット)
  • 130.0 mg kg−1 (経口, ウズラ)
  • 300.0 mg kg−1 (経皮, ウサギ)
1831 ppm (ラット, 30 分)
691 ppm (ラット, 1 時間)[3]
LCLo (最低致死濃度)
200 ppm (ラット, 8 時間)
400 ppm (モルモット, 3 時間)[3]
NIOSH(米国の健康曝露限度):
PEL
TWA 20 ppm C 30 ppm 50 ppm [5-分 最大ピーク][2]
REL
Ca TWA 0.045 ppm C 0.13 ppm [15-分][2]
IDLH
Ca [100 ppm][2]
関連する物質
関連するアルカン
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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合成

エチレンと臭素の求電子付加反応により合成される。

利用

有機合成化学において、グリニャール試薬の調製時にマグネシウム表面の酸化皮膜を除去し、活性なマグネシウム表面を露出させる活性化剤として、1,2-ジブロモエタンが用いられることがある。1,2-ジブロモエタンの添加により、エチレンと臭化マグネシウムが発生するが、これらは無害である[4]。詳細は項目「グリニャール試薬#ハロゲン化アルキルとマグネシウムの反応」を参照のこと。

1,2-エタンジチオールのような様々な1,2-置換エタン誘導体の合成の前駆体ともなる。また、カルバニオンをブロモ化するために用いられることがある。

一時期は有鉛ガソリンの添加剤にも用いられ、エチル コーポレーション社などから販売されていた。

殺虫剤、燻蒸剤としての利用

農業やかんきつ類や野菜、穀草などの保存では殺虫剤として用いられていた。アメリカ合衆国ではアメリカ環境保護局(EPA)の指導により1984年から使用が禁止されている。その後丸太に対してシロアリや甲殻類の駆除に用いられたり、ミツバチの巣箱の害虫除け、色素やろうの原料などに用いられる。日本では1956年9月22日に農薬登録を受けたが、1986年以降、農薬として出荷されることはほとんどなくなり[5]、1990年12月18日には登録が失効した[6]。

健康への影響

吸入することによる人に対する影響は未知数である。

大量に飲むと、赤い炎症や水ぶくれ、口内炎や胃潰瘍などができる可能性があり、最悪の場合は死に至る。しかし、少量の場合は死に至る可能性はほとんどない。

ラットの場合、短時間に高濃度の蒸気を吸入すると死に至る。低濃度の場合は肝臓、腎臓に障害を与える。吸入させたり餌に混ぜたりすると、生殖能力が低下したり精子異常が起きたりするなど変異原性があることが確認されている[7]。また次の世代に対する悪影響もあることが確認された。

人間に対する影響の詳細は調べられていないが、生殖能力に悪影響を与えるのではないかと考えられている。また発がん性もあると考えられており、国際がん研究機関による発がん性評価ではグループ2Aの「発がん性の可能性が高い物質」に分類されている。

法的規制

日本では毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている。また日本、アメリカ合衆国などでPRTR法の対象物質ともなっている。

出典

関連項目

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