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90度パルス

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定義

90度パルス(90° パルス、π/2 パルス)は、縦磁化ベクトル(M_z)を横平面(M_xy)へ正確に回転させるRFパルスである[1]磁化ベクトルをx-y平面に倒し、位相コヒーレンスを持った横磁化を生成するため、MRINMRの信号取得に必須の役割を果たす[2]

90度パルスは、ラジアン表現ではπ/2パルスと呼ばれ、RF磁場を適切な強度と時間印加することで、静磁場B₀方向のnet magnetization vectorを横方向に回転させる[3]

歴史的背景

NMR信号を効率的に取得するためのπ/2パルスの概念は、1940年代末から1950年代初頭の核磁気共鳴研究において確立された[4]

原理

net magnetization vectorと励起の関係

静磁場B₀下で熱平衡状態にある核スピンは、z軸方向にnet magnetization vectorを形成する。90度パルスを印加すると、このベクトルはz軸から横平面(M_xy)へ倒れ、横磁化が最大化される[5]

ラーモア周波数と共鳴条件

90度パルスは、対象核種のラーモア周波数に一致するRF磁場を印加することで効果的に励起が行われる[6]

θ = γ × B₁ × τ によるパルス設計

回転角度θは、γ(磁気回転比)、B₁(RF磁場強度)、τ(パルス幅)の積によって決まる。90度パルスではθ = π/2となるようB₁とτを調整する[7]

パルス設計と特性

矩形パルスとShaped Pulse

矩形パルスはシンプルで高SNRだが帯域幅が広く、選択的励起にはShaped Pulse(例:sincパルス、Gaussianパルス)が用いられる[8]

帯域幅とパルス幅の関係

パルスの帯域幅はパルス幅に反比例する。短いパルスほど広帯域となり、長いパルスは狭帯域で周波数選択性が高い[3]

MRIにおける応用

スピンエコー法における初期励起

スピンエコーシーケンスでは、90度パルスが初期励起に用いられ、その後の180度パルスによって再焦点化が行われる[9]

グラディエントエコー法における役割

グラディエントエコー法では、90度未満のフリップ角も用いられるが、フル90度励起は高SNR画像取得に有用である[2]

高速シーケンス(EPI、FSE等)での利用

EPIやFSEでは90度パルスが初期の横磁化生成に利用され、その後の高速リードアウトに接続される[10]

NMR分光における応用

制限と課題

脚注

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