アンジオテンシン変換酵素2

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アンジオテンシン変換酵素2(アンジオテンシンへんかんこうそ2、英語: Angiotensin-converting enzyme 2 : ACE2)は、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系に属する酵素で、アンジオテンシン変換酵素(ACE)の相同体である[5]

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号ACE2, ACEH, angiotensin I converting enzyme 2, ACE 2
概要 ACE2, PDBに登録されている構造 ...
ACE2
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

3SCL, 1R42, 1R4L, 2AJF, 3D0G, 3D0H, 3D0I, 3KBH, 3SCI, 3SCJ, 3SCK

識別子
記号ACE2, ACEH, angiotensin I converting enzyme 2, ACE 2
外部IDOMIM: 300335 MGI: 1917258 HomoloGene: 41448 GeneCards: ACE2
遺伝子の位置 (ヒト)
X染色体
染色体X染色体[1]
X染色体
ACE2遺伝子の位置
ACE2遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点15,561,033 bp[1]
終点15,602,148 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
X染色体 (マウス)
染色体X染色体 (マウス)[2]
X染色体 (マウス)
ACE2遺伝子の位置
ACE2遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点162,922,328 bp[2]
終点162,971,416 bp[2]
RNA発現パターン


さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 peptidyl-dipeptidase activity
virus receptor activity
zinc ion binding
endopeptidase activity
金属イオン結合
ペプチダーゼ活性
血漿タンパク結合
carboxypeptidase activity
加水分解酵素活性
メタロペプチダーゼ活性
metallocarboxypeptidase activity
exopeptidase activity
細胞の構成要素 細胞質
integral component of membrane

細胞膜
細胞外領域
cell surface
脂質ラフト
エキソソーム
細胞外空間
brush border membrane
生物学的プロセス regulation of cardiac conduction
angiotensin-mediated drinking behavior
タンパク質分解
regulation of cytokine production
positive regulation of reactive oxygen species metabolic process
regulation of vasoconstriction
regulation of cell population proliferation
positive regulation of cardiac muscle contraction
regulation of inflammatory response
positive regulation of gap junction assembly
ウイルス侵入
viral process
regulation of systemic arterial blood pressure by renin-angiotensin
tryptophan transport
血管径の制御
angiotensin maturation
receptor-mediated virion attachment to host cell
positive regulation of amino acid transport
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_021804
NM_001371415

NM_001130513
NM_027286

RefSeq
(タンパク質)

NP_068576
NP_001358344

NP_001123985
NP_081562

場所
(UCSC)
Chr X: 15.56 – 15.6 MbChr X: 162.92 – 162.97 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
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総説

ACE2はACEと構造が類似しているものの別物であり、ACE2は主にアンジオテンシンIIからアンジオテンシン-(1-7)への変換を行って血圧上昇のレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を抑制する[6]。ACE2には敗血症などによる肺損傷からの保護作用がある[7]。またACE2は小腸上皮においてB0AT1と結合し、トリプトファンを吸収する中性アミノ酸輸送体として動作し、これによって抗菌ペプチドが発現されると見られている[8]。ACE2ノックアウトマウスは腸炎を引き起こすが、トリプトファンまたはニコチンアミドの摂取によってこの腸炎を軽減できる[8]

またACE2で生成されるアンジオテンシン-(1-7)は心筋梗塞モデルラットでの実験において心臓の保護作用があることが確認されている[9]。ただしアンジオテンシン-(1-7)の投与は左室収縮能が悪化していた[9] (なお左室機能低下の急性冠症候群 (ACS)にはアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)やアンジオテンシンII受容体拮抗薬 (ARB)が有効とされる[10])。

ACE2は十二指腸小腸胆嚢腎臓精巣に高く発現しており、副腎結腸直腸精嚢に低く発現している[11]

ACE2はアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)によって抑制されない[6]。ACE2活性化剤としてはオルメサルタンが存在する[6]

コロナウイルスの宿主細胞受容体としての働き

肺炎などを引き起こすSARSコロナウイルスおよび2019新型コロナウイルスはACE2を宿主細胞受容体として利用する。増殖したSARSコロナウイルスはACE2の発現を低下させ、急性肺不全など重大な症状を引き起こす[12]。そのためSARSに対するリコンビナント(組み換え)ACE2の投与がマウスにおいて研究されており[7]、また発見された大量生産しやすいバクテリア由来ACE2様酵素も症状への効果が期待されている[13][14]

ACE/ACE2発現に影響するもの

煙草のニコチンは短期的にはACEの発現か活性を増加させ、一方でACE2の発現か活性を減少させ[15]、血圧を上昇させる。しかし、喫煙者及び元喫煙者はACE2の発現が増えているとする査読前論文が存在する[16]。また、喫煙者及び元喫煙者は上腕収縮期血圧が普通なものの、中心収縮期血圧が高いとの報告もある[17]

脚注

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