AT-6 (航空機)

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AT-6 ウルヴァリン

AT-6B

AT-6B

AT-6は、アメリカ合衆国の航空機メーカーであるホーカー・ビーチクラフト社(テキストロン・アビエーション傘下)が開発したターボプロップ単発のCOIN機/多用途機[1][4]。愛称はウルヴァリン(Wolverine)[1][4][3]

本機のベースとなったのは、アメリカ海軍・空軍向けの基本練習機として1995年に採用されたT-6 テキサンIIである[1][注釈 1]2004年に初飛行した改良型であるT-6Bをベースに、C4ISRや近接航空支援といった実戦任務に最適化したのが本機であり、副次的に高等訓練や兵器訓練任務にも使用が可能[1]。原型のT-6とは85パーセントの部品共通性があり、整備の効率化を実現している[5]

2006年7月に構想が発表され、2009年9月10日に試作機が初飛行した[1][3]

設計

AT-6B(正面)

原型のT-6Bと比較すると、機体構造が強化されるとともに、コクピット周りに防弾が施されている[1]。また、エンジンは同型のプラット・アンド・ホイットニー・カナダ PT6A-68ターボプロップエンジンだが、T-6Bが820kWの減格仕様だったのに対し、本機では最大に近い1,193kWを発揮できる[1]

コクピットは暗視装置にも対応した完全なグラスコックピットで、A-10C攻撃機と同型のロッキード・マーティン社製コンバットミッションシステムや、F-16戦闘機と同型のHOTASスティックなどを装備している[4]

機体には7か所のハードポイントがあり、うち6か所に兵装を搭載できる[4]。兵装ステーションにはMIL-STD-1760英語版規格のインターフェースを装備していることから、無誘導兵器だけでなくJDAMペイブウェイといった誘導爆弾空対空ミサイルなどの高度な兵装も搭載することが可能である[4]。機外搭載量は最大で1,415キログラムであり、搭載可能な兵装としては、HMP400 12.7ミリガンポッド2.75インチ 誘導/無誘導ロケット弾ポッド、250/500ポンド 誘導/無誘導爆弾、AGM-114 ヘルファイア対戦車ミサイル、AIM-9 サイドワインダー空対空ミサイルなどがある[1][6]

また、C4ISR用としてL3 Wescam MX-15D多機能センサーユニットを装備するほか、自衛用にミサイル警報装置チャフ/フレア投射装置も装備している[1][4]

運用国

 アメリカ空軍
アメリカ空軍のAT-6E
2017年から2018年にかけてトライアルが行われたが、2018年12月に調達計画は無期限延期となった[2]。その後2020年に改めて2機のAT-6Eを評価用に調達し、2021年2月に初号機を受領した[3][5]。これらは試験や戦術研究に使用されたものの大規模な調達には至らず、2022年にはまもなく退役し外国へ売却される見込みだと報じられている[3][7]
 タイ空軍
タイ空軍のAT-6TH
L-39ZA/ART アルバトロスの後継として2021年に8機のAT-6Bを発注し、2024年7月に最初の2機を受領した[1][8]。タイ向けの機体名称はAT-6TH[1]
空軍の第41航空団第411飛行隊に配備され、地上部隊への近接航空支援、不法入国や麻薬密輸の監視、災害救援や森林火災対応などを含む国境警備任務にあてられる[8][9]

性能諸元(AT-6B)

  • 全幅:10.18 m[1]
  • 全長:10.13 m[1]
  • 全高:3.26 m[1]
  • 空虚重量:2,370 kg[1]
  • 最大離陸重量:3,129 kg[1]
  • 最大兵装搭載量:1,415 kg[1]
  • エンジン:プラット・アンド・ホイットニー・カナダ PT6A-68D ターボプロップ×1[1]
  • 推力:1,193 kW[1]
  • 最大速度:310 kt(高高度)、270 kt(低高度)[1]
  • 海面上昇率:1,372 m/min[1]
  • 実用上昇限度:9,450 m(クリーン)、7,620 m(機外搭載時)[1]
  • 航続距離:1,491 nm(70ガロン増槽2本携行)[1]
  • ペイロード:ガンポッド、ロケット弾ポッド、爆弾、空対空ミサイルなど[1]

脚注

参考文献

関連項目

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