C1QBP
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C1QBP(complement C1q binding protein)は、ヒトではC1QBP遺伝子によってコードされているタンパク質である[5][6][7]。
ヒトの補体系において、C1qはC1r、C1sと結合し、補体第1成分(C1)を形成する。C1QBP遺伝子にコードされるC1QBPタンパク質はC1q分子の球状の頭部に結合し、C1の活性化を阻害することが知られている。C1QBPはpre-mRNAスプライシング因子SF2のp32サブユニット、そしてヒアルロン酸結合タンパク質としても同定されている[7]。
タンパク質構造
C1QBP単量体は282アミノ酸長であり、3つの相同なサブユニットから構成される三量体を形成する。N末端の73アミノ酸残基が切断されることで成熟型C1QBPとなる。C1QBPはSDS-PAGEゲルでは還元・非還元条件下の双方で約33 kDaの単量体として泳動されるが、サイズ排除クロマトグラフィー(ゲル濾過)では三量体の移動度で溶出される[8]。
2.25 Åの分解能で解かれたC1QBPの結晶構造では、3回対称を有するホモ三量体リング構造が示されている。個々のサブユニットは非共有結合的相互作用によって互いに保持され、中心部に直径20 Åの穴を持つドーナツ型の四次構造が形成されている。各サブユニットは7本のβストランド(β1–β7)と3本のαヘリックス(α1–α3)からなる。C1QBPは溶液側は高度に負に帯電しているのに対し、膜結合側にはこうした残基は乏しい[8]。
相互作用
C1QBPは、プロテインキナーゼCα[9]、プロテインキナーゼCδ[9]、プロテインキナーゼCζ[9]、プロテインキナーゼD1[9]、BAT2[10]と相互作用することが示されている。他にも、細菌[11]、ウイルス[12]、熱帯熱マラリア原虫Plasmodium falciparum[13]などの病原体由来のタンパク質ドメインとも相互作用する。また、フィブリノゲン、第XII因子、高分子キニノゲンなどの血漿タンパク質は、亜鉛依存的にC1QBPと相互作用することが示されている[14][15]。腫瘍ホーミングペプチドLyP-1(CGNKRTRGC)は腫瘍細胞上に発現しているC1QBPに選択的に結合する[16]。