CIP法は多次元問題での移流方程式についても適用可能である。例として、2次元での移流方程式を考えてみるが、一般に
次元での移流方程式にも適用できることを断っておく。
さて、2次元移流方程式は以下のように表せる。

ここで、
は変数ベクトル、
は係数マトリクスである。
2次元移流方程式にCIP法を適用する方法として、2元3次の多項式を補間関数として使う方法(A型CIP法)や方向分離解法により1次元移流方程式に落とし込んで計算する方法(M型CIP法)などが考えられる。
A型CIP法では、2次元移流方程式を解くにあたり、2元3次の多項式を補間関数として用いる。
つまり、
軸、
軸からなる平面空間において、補間関数は以下のようになる。

ここでも、点
と点
はそれぞれ、点
と点
の上流点である。
また、
は係数であり、1次元での場合と同様に適合条件式より
格子点
、
、
の値
と微分値
、格子点
での値
を用いて求められる。
A型CIP法では、点
において値
の連続性しか要求していない。
しかし、他の3点
、
、
では
値
と微分値
の連続性も保証している。
このため、求めようとしている点
に対して対角線上にあり最も遠い点
のプロファイルが
不正確であるために、このプロファイルを持ってくるような大きな時間ステップをとってはならない。
方向分離解法は一般に多次元問題を1次元問題に帰着させるために行われる。
A型CIP法では補間関数の係数の数が多く、これを解析に適用しようとすると格子点上で覚えさせる値の数が多くなり、計算を行う上で合理的でない。
M型CIP法では、多次元の移流方程式に方向分離を行うことで幾つかの1次元移流方程式に帰着させ、1次元のCIPスキームで計算を行う。
方向分離解法を適用することで、上の2次元移流方程式をつぎのように分解できる。


このように方向分離を行うと、
方向へ分離した式を解くことによって時刻
の値
から中間の値
が得られ、
方向へ分離した式を解くことによって中間の値
から時刻
の値
が得られる。
M型CIP法で
方向への移流計算を行うとき、ベクトル
と
方向の空間微分値
については1節の1次元CIPスキームを使って解くことが出来るが、
方向の空間微分値
については更なる空間微分値
を計算していないのでCIP法を使って求めることは出来ない。
よって
方向の空間微分値
を求めるためには線形補間を行うことで、移流計算を行う。

M型CIP法では2階の空間微分値
を計算していなかったので、空間微分値
を計算する際は線形補間を行っていた。
この方法ではある程度の精度は保証されるが、格子間隔を広くとった場合などには
方向の線形補間の影響が大きく出て、CIP法によるうまみを生かしきれなくなってしまう。
そこで、格子点上の2階空間微分値
を覚え、
方向にもCIP計算を行おうというのがC型CIP法である。
