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Digital Novel Markup Language

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Digital Novel Markup Language(ディジタルノベルマークアップランゲージ、DNML)は、花梨が開発した、ビジュアルノベル形式のゲームを作成可能な自由ソフトウェアおよびその記述方式である。

概要

「DNML」という言葉は「言語」「ゲームエンジン」「作品」の複数の意味で用いられる。呼び分ける必要がある場合、ゲームエンジンを「DNMLブラウザ」、DNMLブラウザ上で動く作品を「DNMLブック」と呼ぶ[1]。DNMLブラウザは複数存在するため、本記事では区別のため、花梨が開発したDNMLブラウザを「本家DNML」と呼ぶ。

DNMLは、HTMLとよく似た構文を採用しており、背景の表示、人物の登場、セリフの表示、人物の退場といった表現上の流れをそのまま記述できる[2][3]ため、比較的容易にゲームを作成できる。また、文章の表示領域を自由に定義できるため、画面全体に文章を表示する形式から、メッセージウィンドウを用いる形式まで、さまざまな画面構成の作品を作成できる。

本家DNMLや一部の互換エンジンはSusieプラグインに対応しており、プラグインを追加することで様々な形式のファイルを扱うことができる(互換エンジンには、異なるファイル読み込みの仕組みを採用しているものもある[4])。この拡張性のあるファイル入力機能は二次創作でも活用されている(DNMLと二次創作の関係は、二次創作における利用を参照)。

DNMLは元来ノベルゲームを制作するためのツールであったが、フラグ管理システムを利用して、プレイヤーがコマンドを選択して戦闘を進める形式のゲームなど、一般的なノベルゲームとは異なるゲームも制作された[5]。

二次創作における利用

DNMLには、ユーザーがインストールしている原作ゲームの素材を参照するための仕組みが用意されていた。この仕組みにより、原作ゲームを持つユーザーを対象とした二次創作ゲームが多数制作された[6][7]。また、単一原作の二次創作だけでなく、複数原作の素材を組み合わせたクロスオーバー作品なども制作された[8]。

原作素材を利用する二次創作では、スクリプト(DNMLブック)のみを配布すればよかったため、数KB~数十KB程度のファイルでも作品を公開することができた[9]。HTMLと似た構文であり、SS(二次創作小説)作家がDNMLを制作することも多かった[10]。DNMLブックをSSコンテンツの一形態として分類・公開しているサイトも多く見られた[10]。

二次創作DNMLブックを公開・配布する際には、各メーカーが定める二次創作ガイドラインなどを考慮する必要がある。MADムービーのように原作素材を複製して配布するわけではないため、適切に制作されていればガイドラインに抵触することは少ない[11][12]。しかし、過去にはDNMLに対するスタンスが不透明なメーカーのDNMLブックの配布が見送られたこともある[13](その後、メーカーとの調整の末、配布再開された[14])。

オリジナル作品における利用

DNMLは、オリジナル作品の作成にも使用されている。個人サイトで公開された作品のほか、同人誌即売会などでフロッピーディスクやCD-ROMに収録して頒布された作品もあった[15]。また『ひとかた』のように、DNMLで作られた作品が後に別のプラットフォームで商品化された[16]例もある。

歴史

1998年

花梨によってWindows用ソフトウェアとして最初のバージョンが公開された[17]。同じく90年代後半にビジュアルノベル作成ツールとして登場した吉里吉里やNScripterとの違いとして、公開当初から二次創作での利用を意識した設計が行われていた[17]ことが挙げられる。

2000年前後

1990年代末から2000年代初頭にかけて、多くのDNMLブックが作者の個人サイトを中心に公開された[10]。特にLeafおよびKey作品の二次創作が多く、両社の作品の流行[18]に伴って多数のDNMLブックが制作された[19][20]。

この時期には、DNMLブックを収録したデジタルノベルアンソロジーも制作され、同人誌即売会などで頒布された。中には累計6000枚を頒布したものもある[21]。また、DNMLは雑誌でノベルゲーム作成ツールとして紹介され、同梱CD-ROMに収録されるなど、商業媒体でも取り上げられた[22]。

一方で、本家DNMLは開発に割ける時間が減ったことを理由に開発終了が宣言され、2000年にリリースされたVer.2.24を最後にバージョンアップが終了した。

2000年代

本家DNMLの開発終了後もDNMLブックの制作は続いた。2000年代半ば以降も『CLANNAD』などのKey作品の発売に伴って多数の作品が制作され[23]、2005年には本家DNMLが対応していなかった画面サイズに対応させるための非公式パッチも登場した[24]。2008年には互換エンジン『DNML (緑)』が公開され[25]、作品の制作・閲覧環境が広がった(詳細はDNML (緑)を参照)。

2010年代

2010年代前半は、既存の原作ゲームに加え、Keyの新作ゲームのDNMLブックも制作されるなど、一定数の作品が作られ続けた[26][27]。この頃には、サイトの閉鎖やウェブサービスの終了に伴い、2000年前後の作品を中心に入手が困難になるケースも増えた[28]。一方で、2010年代後半に入っても互換エンジンの開発・更新は続いており[25]、DNML作品を実行する環境自体は維持された。

2020年代

2020年代に入ると確認できる新作DNMLブックは少なくなる[26]。しかし2024年にはDNMLで作られたゲームがSteamで公開され、2025年にもアップデートが行われた[29]。2026年には、互換エンジン『DNML (緑)』が原作ゲームのSteam版やリメイク版などに対応し、DNMLブックを実行できる範囲が広がった[25]。

互換エンジン

本家DNMLの他にも、DNMLブックを閲覧可能なソフトウェア(DNMLブラウザ)が、いくつか存在している。

現在では『DNML (緑)』以外の互換エンジンの多くは開発・更新を停止している(2026年8月現在)が、DNML最盛期には、Java仮想マシン上で動く『DNML4J』[30]、Macintosh上で動く『DNML for Macintosh』[31]、Linux上で動く『KDVXA』[32]等、プラットフォームを問わず多数の互換エンジンが存在した。

また互換エンジンではないものの、DNMLの後継エンジンとして開発が進められていたものもある。例としては、XMLベースの構文を持つ『XNML/VNML』[33]、DNMLの構文を見直した上でより多機能にした『XDNML』[34]、プラットフォームを吉里吉里に移した『DVML』[35]等があり、一部試作品も公開されていたが、現在ではほとんどが開発・更新を停止している(2026年8月現在)。

脚注

外部リンク

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