MITバッグ模型
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ハドロンの内部に存在するクォークは閉じ込めによって単独で取り出すことができないが、これはクォーク間に働く近距離力が十分弱く、一方で長距離力が非常に強いためだと考えられる。これより、ある距離以内の領域は結合定数が十分小さいために摂動論によって記述できるが、それ以上の長距離的な相互作用が存在する領域では摂動論は適用不可能となる。この長さはハドロンの大きさ程度(~1 fm)と予想され、MITバッグ模型では、この長さを境界として摂動的な領域から非摂動的な領域へ不連続に移行すると仮定する。すなわち、バッグの内部においては摂動論が可能であるが、バッグの外部では非摂動論的な物理的真空が広がっていると考える。
バッグ外部の非摂動論的真空のエネルギー密度は、バッグ内部の摂動論的真空よりも低くなっている。一方、バッグ外部の真空の圧力はバッグ内部の真空の圧力より高くなっているため、外部から境界に掛かる真空の圧力と内部から境界に掛かる真空の圧力+パートンの運動エネルギーによる圧力が釣り合い、この状態を現実の基底状態とする。
バッグ内部のエネルギーは摂動論的真空のエネルギーとパートンの運動エネルギーから構成され、クォークやグルーオン間に働く相互作用やカシミアエネルギー[3][4]を補正項として加えることで、より現実的なモデルに近づけることができる。