本モデルは、マクロ交通流理論における三角形Fundamental Diagram をミクロ的に解釈したものになる。車頭距離
と密度
には以下の関係が成立する。

追従状態を仮定するとき、密度
は、速度
を用いて表現することもできる。
このとき、
は渋滞密度、
は後進波速度である。渋滞密度と停車時車頭距離の間には以下の関係が成立する。

また、後進波速度と停車時車頭距離、反応時間の間には以下の関係が成立する。

時空間図において、追従状態では先行車両と追従車両の車両軌跡は、時間的に
だけ遅れ、空間的に
だけ戻ったような軌跡が得られる。
すなわち、以下の等式が成立する。


追従状態ではない、すなわち自由流状態の場合車両の速度は自由流速度になる。そのため、車両
の車両軌跡は以下のように計算できる。

このとき、車両
が自由流状態の場合実現する位置
は以下のようになる。

ただし、
は任意の正の実数である。
車両
が追従状態の場合実現する位置
は以下のようになる。

が成立する場合、計算が容易である。このような車両の位置を計算するモデルはXモデルと呼ばれる[3]。
現実世界の状況では、後続車両の不適切な運転挙動により、本モデルで予測される車両軌跡軌道と異なる可能性がある。実際に得られた車両軌跡と、理論的な車両軌跡を比較し、車両異質性を明らかにできる。次の図は、実際の車両軌跡 (黒) と、本モデルによって予測された後続車両の車両軌跡 (青) を示している。
後続車両の運転挙動が理論と一致する場合の車両軌跡図
後続車両の運転挙動が注意深い場合の車両軌跡図
後続車両の運転挙動が注意散漫な場合の車両軌跡図
後続車両の反応時間と停車時車頭距離が長い場合、先行車両と後続車両の車両軌跡の差が大きくなる。これは、後続車両の注意深い運転を意味する。一方、反応時間と停車時車頭距離が短い場合、先行車両と後続車両の車両軌跡の差が小さくなる。これは、後続車両は攻撃的な運転を意味する。