ペルフルオロオクタン酸

アルキル鎖に複数のフッ素原子が結合した有機フッ素化合物 From Wikipedia, the free encyclopedia

ペルフルオロオクタン酸(ペルフルオロオクタンさん、Perfluorooctanoic acid, PFOA, ピーフォア 通称:C8PFO (perfluorooctanoate) とも)は、PFCA(完全フッ素化された直鎖アルキル基を有するカルボン酸)の一種である。共役塩基のアニオン界面活性剤として用いられる。

概要 物質名, 識別情報 ...
ペルフルオロオクタン酸
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.005.817 ウィキデータを編集
EC番号
  • 206-397-9
RTECS number
  • RH0781000
UNII
性質
C8HF15O2
モル質量 414.07 g/mol
外観 刺激臭のある白色の固体[1]
密度 1.8 g/cm3[2]
融点 40 - 50 °C (104 - 122 °F; 313 - 323 K)[2]
沸点 189 - 192 °C (372 - 378 °F; 462 - 465 K)[2]
9.5 μg/L (PFO)[3]
その他の溶媒への溶解度 極性有機溶媒に溶ける
酸解離定数 pKa ~0[4][5][6]
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
強酸、発がん性、残留性有機汚染物質
GHS表示:
腐食性物質急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性
Danger
H302, H318, H332, H351, H360, H362, H372
P201, P202, P260, P261, P263, P264, P270, P271, P280, P281, P301+P312, P304+P312, P304+P340, P305+P351+P338, P308+P313, P310, P312, P314, P330, P405, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NFPA 704 four-colored diamondHealth 3: Short exposure could cause serious temporary or residual injury. E.g. chlorine gasFlammability 0: Will not burn. E.g. waterInstability 0: Normally stable, even under fire exposure conditions, and is not reactive with water. E.g. liquid nitrogenSpecial hazards (white): no code
3
0
0
安全データシート (SDS) [2]
関連する物質
関連する化合物 ペルフルオロオクタンスルホン酸 (PFOS)
ペルフルオロノナン酸 (PFNA)
ペルフルオロオクタンスルホンアミド (PFOSA)
トリフルオロ酢酸 (TFA)
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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性質、合成

PFOAの合成方法は2つあり、電解フッ素化(ECF)およびテロメル化英語版である。水にほとんど溶けない (9.5 μg/L, 25 °C) [7]。フッ素化されていないオクタン酸よりも界面活性能が高い。ペルフルオロアルキル基はC-F結合エネルギーが高く、耐光性、耐熱性が高く、生分解をほぼ受けないとされる。ペルフルオロオクタン酸はフッ素テロマーのテロメリゼーションにより合成される。生体内半減期は4.3年であり、類似物質として法的規制を受けるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の生体内半減期8.7年に比較して、短期間である。

用途

ペルフルオロオクタン酸は、テフロンの商品名で知られるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を合成する際の添加剤、塗料のレベリング剤、水性膜形成泡消火剤、界面活性剤などに用いられていた。

環境汚染と規制

2000年に大手製造メーカーであった3M社は世界各地の野生生物中にPFOSが高濃度に検出されたことを明らかにし、同様の構造を有するPFOAについても製造を2002年に中止した。

2006年、フッ素樹脂を製造していた大手化学メーカー8社は、アメリカ環境保護庁(EPA)主導のもとPFOAの2015年までの排廃絶目標とする削減プログラムに署名。これによりデュポンも2013年にPFOA製造を完全に停止した。[8]

2013年には、EUでPBT物質に指定され、その後SVHCに収載、2017年にはREACH附属書17で制限されている。[9]

2015年にはストックホルム条約への追加が提案され、 2019年に第9回締約国会議(COP9)で、PFOAは廃絶対象リスト(附属書A)に追加された。これにより、世界的な製造と使用の廃絶が進められている[10]。 条約による指定の対象(定義)は、

  • 直鎖PFOA(または分岐異性体):CAS番号335-67-1など。
  • PFOAの塩:アンモニウム塩(3825-26-1)、ナトリウム塩(335-95-5)、カリウム塩(2395-00-8)など。
  • PFOA関連物質:構造中にペルフルオロヘプチル基を含み、環境中で分解してPFOAになり得るすべての物質(エステル類、ポリマーなど)。

出典

関連項目

外部リンク

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