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カプリル酸

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カプリル酸(カプリルさん、caprylic acid)は、炭素数8の直鎖状脂肪酸で、IUPAC系統名はオクタン酸 (octanoic acid) である。天然にはココナッツや母乳などに含まれる。常温常圧においては、弱い不快な腐敗臭を持つ油状の液体である[注釈 1]。なお、水にはほとんど溶けない。

概要 物質名, 識別情報 ...
カプリル酸
Skeletal formula
Skeletal formula
Ball-and-stick model
Ball-and-stick model
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
DrugBank
ECHA InfoCard 100.004.253 ウィキデータを編集
EC番号
  • 204-677-5
KEGG
UNII
性質
C8H16O2
モル質量 144.21 g/mol
外観 無色油性液体
匂い 弱い不快な腐敗臭
密度 0.910 g/cm3[1]
融点 16.7 °C (62.1 °F; 289.8 K) [2]
沸点 239.7 °C (463.5 °F; 512.8 K) [1]
0.068 g/100 mL[1]
溶解度 アルコール、クロロホルム、エーテル、二硫化炭素、石油エーテル、アセトニトリルに溶ける。
log POW 3.05
蒸気圧 0.25 Pa
酸解離定数 pKa 4.89[3]

1.055(at 2.06–2.63 K)

1.53(at −191 °C)

屈折率 (nD) 1.4285
熱化学
標準定圧モル比熱, Cp⦵ 297.9 J/K mol
標準生成熱 (ΔfH⦵298)
-636 kJ/mol
危険性
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
引火点 130 °C (266 °F)
440 °C (824 °F)
致死量または濃度 (LD, LC)
10.08 g/kg (経口、ラット)[1]
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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工業的には香料として用いられるエステルの合成や染料の製造に利用される。

生理作用と応用

抗菌活性を持ち、しばしばカンジダ症の治療に供される。栄養学者エリカ・ホワイト (Erica White) によれば、カプリル酸は腸に感染したカンジダ菌への対処に有効である。カンジダ菌は腸でコロニー形成することも多いが、長鎖脂肪酸が存在すると細胞膜組織に侵入しにくくなる。このため栄養学者はカンジダ症の患者にはまずカプリル酸を勧め、その後クローブ油やオレガノ油などの植物油に移行する。それらの植物油には、より簡単に筋肉・関節・洞といった体組織に浸透しやすい、短い鎖長の脂肪酸が含まれている。

バクテリア感染症の治療にも用いられる。

カプリル酸は胃で作られるペプチドホルモン、グレリンの3番目のアミノ酸残基であるセリンに結合し、そのヒドロキシ基(OH基)をアシル化する。これによりグレリンは活性型となり、視床下部の摂食中枢に作用して空腹感をもたらす。他の脂肪酸も同様な効果を持つとされる。

多く含む食品

カプリル酸を多く含む食品には次のものが代表的である。

注釈

  1. オクタン酸(カプリル酸)の常圧での融点は約16.7 ℃であるため、常温(25 ℃)においては液体であるものの、寒冷な場所では固体となる。なお、同じ直鎖状の飽和炭化水素鎖を持ったカルボン酸の中では、酢酸(エタン酸)がほぼ同じ融点を持つ。蟻酸(メタン酸)、プロパン酸、酪酸(ブタン酸)、吉草酸(ペンタン酸)、ヘキサン酸、ヘプタン酸は、いずれもオクタン酸や酢酸と比べて常圧での融点が低い。

出典

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