もともとシティコネクションは「ジャレコのIPを可能な限り現代に蘇らせる」という社是があり、『ラッシング・ビート』シリーズもその候補であったが、予算や人員の関係から2023年に開発できるようになった[4]。
シティコネクション代表の吉川延宏は、『ベア・ナックルIV』や『Teenage Mutant Ninja Turtles: Shredder's Revenge』といった作品のヒットから、ベルトスクロールアクションゲームが再び世界的な人気を取り戻しつつあると考えていた[1]。また、欧米のEmbracer GroupのClear River Gamesに企画書を見せた際、シリーズをよみがえらせることに協力的だったことも開発の後押しとなった[1]。シティコネクションの社員・渡辺敬も個人的にベルトスクロールアクションを気に入っており、吉川から持ち掛けられた際は新作を作っていいのかと思いつつも、二つ返事で引き受け、ディレクターに就任した[1]。
シリーズ第2作である『ラッシング・ビート乱 複製都市』の売れ行きや知名度の高さを踏まえ、これに関連した物語にする事は最初から決まっていた[1]。
一方、この作品は日本国外で「Brawl Brothers」という題名で発売されていたため、タイトルのつけ方に悩んだ吉川はEmbracer Groupシニアアドバイザーであるマーティン・リンデルに相談したところ、「“ラッシング・ビート”という単語は欧米でもある程度知られているので、語感もかっこいいから、タイトルにつけてもよいのでは?」という助言を受けた[1]。とはいえ、「Brawl Brothers」という題名も欧米でよく知られていたため、最終的には両方を取り入れた「RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers」というタイトルになった[1]。
また、ラッシング・ビートシリーズは日本版と国外版で設定や物語に差があるため、第3作『ラッシング・ビート修羅』の後日談となるとそのあたりを考える必要があった[1]。そのため、シティコネクションは、スーパーロボット大戦シリーズなどクロスオーバー作品を得意とする森住惣一郎をシナリオライターに起用した[1]。こうして、本作の物語は『ラッシング・ビート乱 複製都市』と『ラッシング・ビート修羅』の間の出来事として描かれることとなった[1]。
シティコネクションは女性のキャラクターを増やしたいと考えており、最終的にはすばやい攻撃を得意とするカルアが新キャラクターとして誕生した[1]。また、新キャラクターの登場に当たり、いきなり出すと埋もれてしまうため、『ラッシング・ビート乱 複製都市』の被害者という設定がつけられた[1]。
既存キャラクター5人は『乱』ですでに登場していたため、当時のイメージを保ったまま現代風にアレンジする方針が立てられた[4]。うちリックはスタンダードな性能の初心者向けキャラクターとして位置づけられた[4]。一方、ダグラスは日本版と国外版で肌の色が違っていたこともあってセッティングが難航し、最終的には名前を日本版、肌の色を国外版に合わせる形となった[1]。また、ウェンディとロード・Jはそれぞれテクニカルタイプとして設定されたほか、華斬は設定にたがわぬニンジャラしいキャラクターとして位置づけられた[1]。
なお、本作はステージ内のルート分岐はあるものの、『ラッシング・ビート修羅』に続く物語ということもあって、同作のようなマルチエンディングは導入されなかった[1]。その代わり、プレイヤーキャラクターによってセリフを変える方針が取られた[1]。
過去作品では回復アイテムを一度手に取り、任意のタイミングで消費するという仕様であり、すぐに使いたくない場合はステージの奥に投げておいて後から回収するという使い方をする者がいたほどだった[1]。
これに対し、本作では回復アイテムをストックするシステムを採用した[1][4]。これに関連して、複数の回復アイテムをストックしている場合、道中にあるキッチンカーに立ち寄ることで、回復量の高いコンボ料理に作り替えてもらえるシステムも追加された[1][5]。一方、回復量の高いアイテムを常に携行できる分、レベルデザインの調整には時間がかかった[1]。
サウンドデザイナーには『サイヴァリア』などで知られるWASi303が起用され、グランジやオルタナティブロックに近い曲調のものが使われた[1]。
ベルトスクロール作品においては敵を殴る音や悲鳴ばかりで音が単調になりやすいため、効果音に多様性を持たせる方針が取られた[1]。また、アメリカのB級コメディドラマにおける「絵面はかっこいいが、効果音だけを間抜けなものにして笑いを誘う」という手法をヒントに、効果音の中にあえて間抜けな物[注釈 1]も含められた[1]。