XENON-199X・R-
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「赤い海」の拠点のひとつである巨大タンカーへと攻め込んだ飛鳥たち。赤ひげを始めとする戦闘マシンを退けた彼らだったが、敵幹部トウノの策略により暴走を始めたタンカーに取り残される。飛鳥は東京港の石油コンビナートに突入するタンカーを停止させようとするも、彼に封印されていたブラックボックスが開放される。
ブラックボックスから開放されたナノマシンによって暴走し、「破壊神」と化す飛鳥=XENON。かつて「赤い海」から離れた際の記憶もよみがえり、東京の帰還時に乗り込んでいた旅客機はマインドコントロールされた自分自身が墜落させた事を知る。
絶望に沈む飛鳥の前に現われたのは、武術家・御鳳蓮童と名乗る人物であった。その妹・織枝の助けも借りて精神修養で身体の暴走を抑え込もうとする飛鳥。修行の成果があらわれ始めた矢先、XENONを苦しめた「悪魔の三角形(デーモンズ・トライアングル)」の弟子たちが強襲をかけてきた。
概要
20年近くを経て描かれる『重機甲兵ゼノン』の直接の続編である。同一の世界設定を共有する作品として1998年から連載された同作者の作品『鋼-HAGANE-』が先立って存在するが、本作は作品世界の時系列的には『重機甲兵ゼノン』直後、『鋼-HAGANE-』以前のストーリーとなっている。
前作『重機甲兵ゼノン』から主人公を含め主要の登場人物が継続して登場するが、経年により作者の絵柄や作風は変化しており、“ゼノン”は“XENON”と英字表記され、“XENON”発動後のサイボーグ体の作画描写が異なるなど設定にもいくらかの変遷がある。くわえて作者の他作品との統合も図られており、クロスオーバーな世界観で物語が展開している(神崎将臣の記事も参照)。
特に『鋼-HAGANE-』との関連は深く、敵組織「赤い海」の本質などストーリー上の重要な設定が、発表年が先である同作品から導入される形となっている。
また、前作『重機甲兵ゼノン』が講談社アッパーズKCで再版された際の最終巻にて、打ち切りにより描くことのできなかった物語がダイジェストで書き下ろされたが、それとは異なる形で物語が進んでいる[1]。
登場人物
前作からの登場人物
- 叶 飛鳥(かのう あすか)
- XENON-777。元々は都立須賀山高校3年に在籍していた高校生だったが、1990年「赤い海」に拉致され半年の間失踪。その間にバイオダイン・XENONの完成形として改造される。タンカーの東京港激突を防ぐため動力室に特攻。その際にトウノによるマインドコントロール時の記憶がよみがえり、「赤い海」を脱走する際に撃墜された旅客機を落としたのは自分だと思いだした。体内のブラックボックスも開放され、東京港石油コンビナートを壊滅させてしまう。
- 飛鳥自身、幼少時から感情が激すると抑えが効かず暴走してしまう自分を怖れていた。短い間ながら師であった御鳳兄妹の死以来、自らが「赤い海」を滅ぼす怪物たらんと考える様になる。
- 黒部潜入時からドクロをモチーフにした凶悪なデザインのヘルメットを被る様になり、黒部ダムが決壊し、溢れだした水を処分する飛鳥を目撃した老婆は「鬼神さま」と呼んだ。
- その体は開発者の兵衛門、施術した連司も知らない改修が施されており、表向きのスペックを大きく逸脱している。体内にはXENON COREを利用した反応炉が搭載されており、総出力は原子炉三基分(約500万kw)そのエネルギーは単体ではなく外部ユニットを接続し稼働させる事で200%の能力を発揮する。そればかりかあらゆる電子機器を破壊する広域電磁パルス砲やプラズマブラスターを搭載し、それを応用して核兵器すら無効化する。
- だが飛鳥自身にはXENON施術対象者に起きる拒絶反応が起きないばかりか、逆に機械を浸食し同化を始めている。
- 郷田 竜二(ごうだ りゅうじ)
- 飛鳥の仲間として行動する男。XENONと比べ、生身ではあまりにも非力な自分に思い余って自らXENONになろうとトウノの許を訪れるが施術前に救出される。「XENON-199X・R-」では生身の人間として叶飛鳥と向き合う力を求め、連司に特製のXENON式強化スーツの製作を依頼する。
- 冴野 陽子(さえの ようこ)
- 兵衛門に協力するフリーカメラマン。しかしその実体は「赤い海」に拉致され下半身をXENON化されたサイボーグ(ナンバーは不明)。
- 本名は「水野 陽子(みずの ようこ)」。国体女子陸上の短距離走選手で三冠王を達成したが交通事故に遭い再起不能となり、その後「赤い海」によりサイボーグ手術を施される。自身から未来を奪った[2]「赤い海」を激しく憎んでおり飛鳥たちと共に戦う。
- XENONとしての能力は「脚力」。時速120kmで疾走することができる。サイボーグである自分を「女」として認めてくれる飛鳥に惹かれ、彼とは互いに仲間以上に想いあう関係となっていくが、薗子のこともあり本人には気持ちを打ち明けられないでいる。
- 新田 兵衛門(にった ひょうえもん)
- 薗子の祖父に当たる科学者。学生時代から「人体と機械の融合」、いわゆるサイバネティクスの研究を行っており、十数年前「赤い海」に拉致される。家族を盾に研究を強要された結果、プロジェクトXの終極点「ゼノンシステム」の基本設計を完成させた。
- しかし、実験のために無関係な人々をXENON施術対象として拉致してくるという状況に耐えかね、1989年「赤い海」の研究施設「石壁」から陽子、純也、ロック及び数学者スライ・ホワイトフィールドと共に「赤い海」を脱走。以後全財産を投じて戦いの準備を進めていた。
- 『XENON-199X・R-』においては次々と明らかになる事実と長年の心労がたたって倒れてしまう。
- 新田 薗子(にった そのこ)
- 兵衛門の孫で郷田とも親戚関係にある少女。飛鳥の高校在学当時の後輩でその頃から飛鳥を慕っていた。前作「重機甲兵ゼノン」後半で飛鳥たちの戦いを知り、高校卒業後、大学に通いながらジャーナリストの勉強を始める。
- リサ
- 薗子の親友。本人曰く「自分でも引け目を感じるくらいの一般人」だが、それゆえに飛鳥や彼を慕う薗子が苦しんでいるのを理解しようとしている。
「赤い海」
- トウノ
- 「赤い海」の幹部。「赤い海」において対XENON作戦を始め幾つかのプロジェクトを統括する謎の男。念動力や衝撃波といった超能力を使い、「赤い海」のサイボーグですらその力の前には敵わない。正体は謎に包まれている。 叶飛鳥――“XENON”のもとに刺客を送り込み、叶飛鳥を試す様な行動をとる。
- 『XENON-199X・R-』において飛鳥の能力が開放されると同時に「日本の独立」をアメリカに宣言した。
- 「青い鞄」によって判明した事実によれば1945年8月6日広島に投下された原子爆弾の爆心地で発見された突然変異体。柳田國男の『遠野物語』からコードネーム・「トウノ」と名付けられ、その後数度の核実験に晒されながらも死ぬ所かそのエネルギーを吸収し成長。新たにコードネーム・「ムスペル」が与えられる。核爆発すら呑み込む力を持ちながら遺伝子上はあくまで人間という不可解極まりない存在。
- 生まれた時から怪物扱いされ人間の感情その物は理解できないながらも、自分が存在する理由は善意と悪意をあわせ持つ人間に「生」を選択させる事だと考えている。
- “謎の人物”
- トウノに指令を与える「赤い海」の役職。アメリカから派遣されていた「赤い海」極東支部の管理官だったが、トウノの独立宣言の手始めとして殺害される。