○○ロス

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〇〇ロスとは、社会現象的な人気を得た連続ドラマ・アニメ作品の放送終了時や、著名な芸能人の結婚報道・引退報道・死去報道、音楽グループの解散報道時などに、そのファンや大衆が得る喪失感およびそれに類する心理状態を指す語である。「〇〇ロス」の「〇〇」には作品名やタレントの芸名、略称や愛称が入る。

ロス (: loss)は「喪失」を意味する英単語である。ペットを亡くした際の喪失感を指して「ペットロス症候群」と呼ぶ用法は1990年代後半から週刊誌などで見られた[1]。2013年に放送されたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』が終了すると作品ファンがSNS投稿で「あまちゃんロス症候群」「あまロス」とその喪失感を共有し、さらに他局を含むテレビや新聞全国紙が報道で「あまロス」を用い、主演の能年玲奈もイベントで言及するなどしたことからこうした心理状態を指して「ロス」と言う用法が一般に広まった[2]。メディア研究家の衣輪晋一は、さらに翌2014年「笑っていいとも!」が31年半にわたる放送を終了し「タモロス(タモリロス)」が広がったため、「このあたりで“○○ロス”は完全に定着したといっていいでしょう」と説明している[3]

その後、有名芸能人の転機、節目において感じる喪失感を指して言う用法も広がった。2014年の西島秀俊の結婚報道で「西島ロス」、2015年の福山雅治吹石一恵の結婚報道で「ましゃロス」などの語が生まれ、「おめでたいことだけに不満や怒りとも言えない、漠然とした寂しさ」というファン心理を的確に表現した[3]。2017年には堀北真希の電撃引退で「堀北ロス」が広がった[4]。また、こうした報道の際にはショックを受けたファンから「会社休みます」との声が上がったり、タレントの所属事務所の株価が下落したりなど、単なる心理状態に留まらない実体的な影響も見られた[5] [注 1]。2016年末のSMAP解散時の「SMAPロス」[7]や、2018年9月16日の安室奈美恵引退時の「アムロス」[8]、2025年の活動終了発表時の「嵐ロス」[9]など、20年以上にわたり長く活動したアーティストの解散・引退を惜しむ社会現象的な動きも「〇〇ロス」として形容された。

2017年には三省堂が選ぶ「今年の新語 2017」で第4位に「〇〇ロス」が選ばれ、「あるものがなくなったことで、喪失感のあまり無気力になってしまうこと」と解説された[10][注 2]

実態調査

オリコンは福山雅治が結婚した2015年に、自社の「オリコン・モニターリサーチ」会員男女500名を対象に「“ましゃロス”に共感できますか?」というアンケート調査を行った。女性の36.1%が「共感できる」と回答し、「仕事ができないとか会社を休むのは大げさだけど、気分が落ちてしまうのはわかる」、「デビューからのファン。今は親心のような気分で祝福できるが、真のファンの喪失感は想像できる」などの声が上がった[5]

日本トレンドリサーチは2021年に日本全国の男女900名を対象として「〇〇ロス」 に関するアンケート調査を行った。同調査では、35.3%が「『〇〇ロス』を感じたことがある」と回答した。特に20代以下では51.3%が「ある」と回答し、若者ほど「〇〇ロス」を実感した経験があるという傾向が示された。「〇〇ロス」を感じた対象についての設問では、上述の福山雅治やSMAPの例の他、二宮和也(2019年結婚)の「ニノロス」、石原さとみ(2020年結婚)の「さとみロス」、新垣結衣(2021年に星野源と結婚)の「ガッキーロス」などが挙げられた。また、ジョン・レノンなどの実在の著名人の死去に加えて、アニメやドラマの登場人物の死亡などによる「キャラクターロス」を上げる回答者もいた。さらに芸能・エンターテインメントの分野を離れ「仲の良い同僚が退職した時」「高校卒業で『高校ロス』しました」などのロス感情も回答された[12]

分析と評価

類似表現

脚注

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