あひるのジマイマのおはなし

From Wikipedia, the free encyclopedia

ビアトリクス・ポター
言語英語
The Tale of Jemima Puddle-Duck
著者ビアトリクス・ポター
ビアトリクス・ポター
イギリス
言語英語
ジャンル児童書絵本
出版社Frederick Warne & Co.
出版日1908年
出版形式印刷(ハードカバー
文章The Tale of Jemima Puddle-Duck - Wikisource

あひるのジマイマのおはなし』 (原題:The Tale of Jemima Puddle-Duck;1908) は、ビアトリクス・ポター作のピーターラビットの絵本である。本書の主人公であるジマイマが、出版物において初めて登場するのは、『こねこのトムのおはなし』(The Tale of Tom Kitten; 1907)である。

あひるのジマイマは、自分で産んだが住んでいる農家の人によって取り上げられ、めんどりが温めて孵すのに不満を抱く。そこで家から遠く離れた森の中で卵を産むことにした。

を作るのに良い場所を探していると、ジギタリスの生えている広場で「黒く突き立った耳と太く長い尻尾を持った」一人の紳士と出会う。ジマイマが事情を話すと、その紳士は自分の夏の住まいを提供する事を提案する。そこにはたくさんの羽毛があり、その羽毛で巣を作ったジマイマは卵を産むために毎日そこに通い始める。

産んだ卵の数が9個になり、ジマイマは次の日から卵を温め始めると紳士に告げる。すると紳士は、ジマイマにご馳走を振舞いたいのでその材料としてスパイスタマネギパセリオムレツとアヒルの丸焼きに使う食材である)を持ってくるように、と言う。次の日、何の疑いも持たないジマイマが食材を集めていると、番犬のケップがジマイマを問いただす。事情を知ったケップは友人のフォックス・ハウンドの子犬2匹を呼びにいく。

ジマイマが紳士の小屋に着くと紳士は神経質になっており、ジマイマを乱暴に小屋に追い込み、少しすると黒い鼻を持った誰かが小屋の鍵を閉める。次の瞬間大騒ぎが始まり、それ以降、そのキツネに似た紳士を見かけたものはいない。ジマイマはケップに助け出されたが、卵は猟犬たちに食べられてしまう。

家に帰ったジマイマはその後、産んだ卵を自分で抱く事が出来たが、卵を抱くのが下手だったので4羽しか雛を孵す事が出来なかった。


経緯

本作の舞台は、イギリス・カンブリア地方にあるヒル・トップ(Hill Top)である[1] 。ビアトリクス・ポターの評伝を著した児童書編集者ジュディ・テイラー(Judy Taylor Hough)によると、ビアトリクスの父親であるルパート・ポター(Rupert Potter)がボンネットをかぶるあひるの絵を描いたことがあり、それがあひるのジマイマの原型となったという[2] 。 事実、本作の中には、ボンネットをかぶって飛ぶジマイマのイラストが描かれている。 また、ビアトリクス・ポターが初期に出版した寓話集『とりたちときつねのトッドのお話(The Tale of the Birds and Mr Tod)』にもジマイマに似た、「虚栄心が強くて、愚かな」鳥が登場する[3]

ジマイマがはじめて出版物に登場するのは、1907年に出版された『こねこのトムのおはなし』(The Tale of Tom Kitten; 1907)である。本作において、ジマイマは、脇役として登場する。『あひるのジマイマのおはなし』はその翌年(1908年)に出版された。本作には「ラルフとベッツィにおくるまきばのはなし」という副題が付されている。 ここで「まきば」と呼ばれる農場には、ビアトリクス・ポターの代理人であるジョン・キャノン(John Cannon)とその家族が住んでいた。この農場は、ビアトリクス・ポターのおはなしによく登場するヒル・トップとは対照的な農場であり、群れをなす牛たちや、30頭ものヒツジたち、そしてブタ数頭、あひる、めんどりが飼育されていた。キャノン夫人は、飼育しているあひるがうまく抱卵できない場合、自分の飼っているめんどり「ヘニー・ペニー(Henny Penny)」にあひるの卵を温めさせることがよくあったという[4]

評価

  • ジュディ・テイラーは、本作を、未知の世界へ踏み込むことの危険性を警告する教訓話であると評している。ジマイマが羽毛の山に巣をつくろうとすることや、キツネがジマイマを食べようとする際に詰めものとして、ソーセージやタマネギを集めようとすることは、皮肉なかたちでそのような教訓を示している[4]


映像化

  • 1993年、BBCによるアニメーション映画シリーズ「ピーターラビットと仲間たちの世界」の第2話「こねこのトムとあひるのジマイマのおはなし(The Tale of Tom Kitten and Jemima Puddle-Duck)」というタイトルで、『こねこのトムのおはなし』とセットで放映された[5]

関連項目

外部リンク

参考文献

Related Articles

Wikiwand AI