歌集名「あらたま」は、森鷗外の小説『青年』に「璞(あらたま)から玉が出来るやうに」とあり、『雁』に「まだ璞の侭であつた」とあることから暗示を受けたものとされる[1]。1913年9月から1917年12月までの作品が収録されている。内容は、前の歌集『赤光』から引き続き「生命の氾濫・生の肯定」を特徴とし、中途から沈静な諦念の色調が加わるとされる。しばしば引用される歌に次のようなものがある。
- ふり灑(そそ)ぐあまつひかりに目の見えぬ黒き蛼(いとど)を追ひつめにけり
- あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり
- 草づたふ朝の蛍よみじかかるわれのいのちを死なしむなゆめ
- 朝あけて船より鳴れる太笛のこだまはながし並みよろふ山