さよならローズガーデン
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憧れの作家であるヴィクター・フランクスに会うため、九條華子は一人で英吉利に渡ってきた。一か月もの間出版社に通い詰めてみたが、素性を一切明かさない彼に会うことは叶わない。途方に暮れている彼女に声をかけたのは、出版社での一部始終を目撃していた貴族令嬢のアリス・ダグラスだった。
行く当てのなかった華子は、アリスの好意により令嬢付きメイドとして雇われることになった。彼女から受けた恩に報いようとする華子は、同じ読書家であるアリスと心を通わせていく。
ある日、華子がヴィクターの消息について尋ねてみると、アリスはある条件を提示する。彼女が突き付けたのは、「私を殺して」くれれば彼に会わせるという交換条件だった。
登場人物
- 九條 華子(くじょう はなこ)
- 本作の主人公である令嬢付きメイド。渡英前は長崎で教師を務めていた。
- ヴィクターの著作から、女性でも夢を持てるという勇気を得た。その勇気が彼女の原動力にもなっている。
- アリス・ダグラス
- 華子が仕えるブランドン伯爵令嬢。邸宅の庭園ローズガーデンでの読書が趣味。
- 貴族でありながら「その名を口に出来ない愛」に悩まされている自己を嫌悪している。
- イライザ・マクガヴァン
- アリスの元家庭教師にして華子の同僚教師。アリスが恋心を寄せていた相手でもある。
- 貴族としての体裁を保ち、世間の醜聞から守るためにアリスから引き離された。女子教育普及の名目で日本に派遣されている。
- エドワード
- アリスの婚約者。ブランドン伯爵位の次期襲爵者でもある。
- アリスに惹かれているため、華子をイライザの差し金だと決めつけ引き離そうと目論んでいる。