のた坊主
From Wikipedia, the free encyclopedia
物語
上半田の酒蔵が並んでいた地域の北側に竹藪があり、桶の箍をつくるために重宝していたが狸の棲む穴もあって、味がよく出来上がる2、3月になるとそこか出てきた狸が子供に化けて酒蔵に忍び込んで酒を盗み飲んでしまうことに酒屋は悩まされた[1]。蔵で狸を殺すわけにはいかず、箍作りのことがあるために竹藪を刈り取って穴を埋めるわけにもいかなかった[1]。
利口である狸はなかなか捕まらなかったが、ある酒蔵に忍び込んだのた坊主はすっかり酔いがまわって逃げることもままらなくなったときに待ち構えていた男たちに捕まった[1]。そこでのた坊主はその男たちに、酒蔵の近くの藪の穴には自分を必要とするまだ幼い狸が二匹いるということと、今後は盗みもしないし、一族のものにもそんなことはさせないので助けてくれと言うと、その酒蔵の男たちはのた坊主のその様子を哀れに思い、のた坊主を許すことにした[1]。
許してもらったのた坊主はその恩返しにその酒蔵の商売が繁盛するように守ると約束し、その家は本当にますます繁盛、狸の行いに感心した酒蔵の主人はいつしか毎年たぬき祭りを催してそのときには元酒を狸の穴に贈っていた[1]。