アウディエンシアの規模と権力には地域差があるものの、一般にはインディアス枢機会議に従属しており、長官(プレシデンテ)が1名、聴訴官(オイドール)が数名置かれ、管轄する地域の控訴審を担当する。また副王と同様に暫定的な地域立法が認められており、国王の名のもとに統治も行った。ただし、植民地時代を通じて一貫した法的地位を持っていたわけではなく、副王領の新設や新しいアウディエンシアの設置に伴って従属関係や管轄地域は流動的であった。
アウディエンシアの官吏は禁令に縛られており、商取引をしたり、エンコミエンダを所有したり、冠婚葬祭に参加したりすることは許されていなかった。在職期間は副王よりも長いため、副王が代わっても行政活動が続けられる場合が多かった。このようにアウディエンシアは植民地における王室の最高位の官職の副王を補佐する諮問機関的機能を持つと同時に副王の権力の絶対化を抑止する機能も備えていた。このような権力分散はスペイン王室の安定した植民地管理の特徴的な政策である[1]。