アサシン クリード ミラージュ
From Wikipedia, the free encyclopedia
『アサシン クリード ミラージュ』(英: Assassin's Creed Mirage)とは、ユービーアイソフト・ボルドーが開発し、ユービーアイソフトより2023年に発売されたアクションアドベンチャーゲームである。
|
| |
| ジャンル | アクションアドベンチャー、ステルス |
|---|---|
| 対応機種 |
PlayStation 4 PlayStation 5 Xbox One Xbox Series X/S Microsoft Windows iOS iPadOS |
| 開発元 | ユービーアイソフトボルドー |
| 発売元 | ユービーアイソフト |
| シリーズ | アサシン クリードシリーズ |
| 人数 | 1人 |
| 発売日 |
家庭機版/Windows版 2023年10月5日 iOS/iPadOS版 2024年6月6日 |
アサシン クリードシリーズの第13作にあたり、2020年の『アサシン クリード ヴァルハラ』の続編に位置づけられる。
概要
舞台は、9世紀イスラム黄金時代のバグダッドであり、特にサーマッラーの無政府状態の時代を背景としている。シリーズ第1作目の『アサシン クリード』へのオマージュを込めた作品とされる[1]。
本作の主人公は、前作の主人公の師匠バシム・イブン・イスハークであり、彼は「街の盗賊」から「隠れし者」に加わり、平和と自由のために秘密結社と戦うことになる。中盤からさまざまな活動を通じて宿命に向き合っていき、自らの神秘的な過去を解き明かそうとする内心の葛藤に焦点を当てている。
PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X/S向けに2023年10月5日に発売された。発売直後にはにEpic Games Store、Ubisoft StoreでWindows版が配信開始された。その後、iPhone 15 Pro以降の機種向けにiOS版が2024年6月6日に[2]、Steam版が2024年10月18日に配信開始された[3]。
なお、本作には歴代シリーズにあった「現代パート」のような要素は存在しない。当初は前作の拡張コンテンツとして構想されたが、内容が大きくなり過ぎたため、単独のゲームとして再開発された経緯を持つ。
発売後、批評家からは概ね好意的な評価を受けた。特に精緻に描かれた世界観、暗殺重視のゲームプレイ、原点回帰でありながら現代性を取り入れた美術は高く評価された。一方、キャラクターや物語が前作との連携は密接し過ぎているため、オリジナルの作品としては完成していないという批判も一部で見られた。
2025年11月18日より、無料拡張コンテンツ『記憶の谷』の配信が開始された。
暗殺と戦闘能力
本作では前作『ヴァルハラ』の設定に従いつつ、主人公は師匠バシム・イブン・イスハークに固定されている。そのため、過去作にあった「主人公の性別選択」は廃止され、唯一の男性主人公を操作することになる[4]。
バシムは袖刃、毒矢、投げナイフ、煙幕といった暗殺に特化した道具を駆使できる。これらの道具は全て、スキルツリーを通じて効果を強化することが可能である[5]。
本作では新技能「アサシンフォーカス」が導入された。この能力はステルス暗殺を行うことでチャージされ、発動すると時間が停止し、最大5体の敵をマークできる。その後、バシムが素早く連続して自動的に敵を排除する[6]。「イーグルビジョン」に加え、相棒のワシ「エンキドゥ」(メソポタミア神話の登場人物に由来)を用いた偵察が可能である。ただし、敵の射手はエンキドゥを狙撃してくるため、まず射手を排除する必要がある[7]。
開発のコンセプトは「シリーズの原点回帰」であり、近年の作品で重視されてきたRPG的な要素(猛攻の格闘、長期戦、集団戦など)を大幅に減らし、暗殺・一撃必殺・一撃離脱といった小規模戦闘を中心としている[8]。暗殺には、『アサシン クリード ユニティ』や『アサシン クリード シンジケート』で採用された「ブラックボックス」システムを導入しており、プレイヤーはターゲットに到達し排除するための多様な方法を環境から見出す必要がある[9]。
あらすじ
舞台
主要な舞台は砂漠地帯に位置し、水源と緑洲の都として知られるバグダッド市である。ゲーム内ではオープンワールドとして、円形都城、カルフ、アッバシヤ(知恵の館を含む)、ハルビヤの4つの地区に分かれている。バグダッドの都市規模は、近年のシリーズ作品に比べてやや小さく、『ユニティ』のパリや『リベレーション』のコンスタンティノープルに近いサイズである[10]。
プレイヤーはシンクロポイントを発見することで、市内の重要地点を明らかにすることが出来る。バグダッド市内にはポールが各所に設置されており、これを利用して広い隙間を飛び越えることができる[11]。また、移動や走行のアニメーションが改良され、機動性と流動性が向上した。
この他、アンバールやジャルジャラヤなど市郊外の小規模な町も登場する[12]。隠れし者の拠点である要塞アラムートも複数のミッションで登場するが、ストーリーライン外では立ち入ることは出来ない。開発チームは「サムライ、ニンジャ、そして一部はジェダイからもインスピレーションを得た」と述べている[13]。
登場人物
主要な登場人物
- バシム・イブン・イスハーク
- 日本語版声優 - KENN
- 本作の主人公。バグダッドに住む孤児の一人で泥棒で生計を立てている。
- 北欧のイスの一人であるロキの転生体だがそれに気付くのは終盤に入ってからになる。
- ネハル
- バシムの幼馴染。面倒見がいいが過保護気味な性格をしている。
- ロシャン・ビント=ラアハド
- 隠れし者の一人でアラムート支部の支部長。バシムの師匠となる。前作『ヴァルハラ』にもサイドクエストで登場している。
- ライハン
- 隠れし者の導師。
- デルヴィス
- 泥棒であるバシムを気遣い、仕事を与える商人。ネハルからは吝嗇な人間だと見られているが、その性格は無愛想だが面倒見がよく、孤児たちを気にかけており、人々からは尊敬されている。顔が広く、ロシャンとも交流がある。
古き結社
バグダッドを裏で支配する、五人の仮面の人物を主とする集団。それぞれ怪物や悪魔など伝承にちなんだ名前を使って正体を隠している。
- 『アル=グール』 / マスード・アル=ヤクーブ
- バシムにとっての最初のターゲット。
- 石鹸商であり奴隷商人でもある彼は出稼ぎの外国人労働者と囚人を使って秘宝の採掘を行っている。
- 『アル=ラビス』 / ファジル・ファヒム・アル=ケムサ
- 知恵の館にて名が高い学者。結社構成員の『アル=ザリチュ(ザーラ)』と『アル=アジ・ダハーカ(ハサン医師)』を使ってアッバシヤにて暗躍している。講演会でバシムと対峙する。
- 『アル=パリカー』 / ニィン
- カルフを裏で操る人物。その正体は東方からやって来た商人であり、現在は結社の財務官の地位を手にしている。キーナという香水を好み、古代中国由来の髪飾りを強く求めバザールの大競売に参加する。
- 『アル=マルディフワール』 / ワシフ・アル=トゥルキ
- テュルク人。結社構成員の『アル=ロック(ジャソール・イブン・バシル)』と『アル=アエーシュマ(ナディール・イブン・ハヴィド)』を従えてカルフの影響力を高めており、「バグダッドの半分を支配している男」と畏怖されている。
その他の登場人物
- アル=ムタワッキル
- アッバース朝の10代目のカリフ。絶対的な地位を手にしているにもかかわらず、とある存在に恐れ怯えている。
- アブー・アブダッラー
- ムタワッキルの次男。承認欲求が強く、父の傍を離れない。
- バヌー・ムーサー
- 隠れし者の協力者。アフマド、ジャファー、アル・ハサンの三兄弟であり、しばしばバシムは間違える。かつては知恵の館で活動していた。
- アリー・イブン・ムハンマド
- 反乱軍を率いるリーダー。その性質から隠れし者とは協力関係にあり、ダマスカス門の監獄に囚われていたところをバシムに救出される。史実ではのちにザンジュの乱を引き起こす。
- アル=ジャヒズ
- 知恵の館の図書館にいる学者。サブクエストのひとつ「アル=ジャヒズの消えた書物」の依頼主。
- フナイン
- 知恵の館に出入りする学者。結社構成員の『アル=ザリチュ』に誘拐され、奇妙な本の翻訳を強要されている。
- アル=ファルガーニー
- 知恵の館で出会える天文学者。ファジル・ファヒムには批判的。
- アリブ・アル=マミュニヤ
- 知恵の館で出会える女性詩人。街の人々から敬愛されている。
- ムハンマド・イブン・アブダラ・イブン・ターヒル
- バグダッド総督。ワシフ・アル=トゥルキと言い争う場面をバシムたちは目撃し、そのため隠れし者からは警戒されるが、彼を持ってしてもワシフを止められないと評される。
- カビーハ
- バザールで出会うことになる謎に満ちた女。ニィンが好むキーナという香水に詳しい。その正体は無名の奴隷からハーレムの長へと登りつめた、アル=ムタワッキルの妾でアブー・アブダッラーの母。
- ジンニー
- バシムに執拗に悪夢を見せる怪物。