アドベ
土を日干しして作る建材
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アドベ(スペイン語: Adobe)またはアドービ(英語:adobe)とは、砂、砂質粘土とわらまたは他の有機素材で構成された天然建材である。なお、米国南西部などの日干しれんが造りの家を指す場合もある[1][2]。一般的に「アドービ」と表記されることが多い。


これらの有機素材を木製の型枠を使って日なたで干すことでレンガの形にして使われ、ヨーロッパのコブや日干しレンガによく似ている。アドービ(アドベ)の構築物は非常に耐久性に富み、地球上に現存している最古の建築物によく使われている。アドービ(アドベ)建築は熱を吸収してから非常にゆっくりと放出するため、建築物の内部は涼しいままに保たれ、暑くて乾いた気候に適している。
【注意】下記のように「アドービ」と表記されることが多い。
- 書籍「エデンの東(上)」ジョン・スタインベック、早川書房、2005年、p316後ろから3行目 「売春街の道は黒いアドービ煉瓦造りで、」
- 書籍「B14 地球の歩き方 ダラス ヒューストン デンバー グランドサークル フェニックス サンタフェ 2026~2027」地球の歩き方編集室 · 2025、p326 「サンタフェに数多くあるアドービ(日干しれんが)の教会サンホセ・ベルが」 https://www.google.co.jp/books/edition/B14_地球の歩き方_ダラス_ヒュ/xxacEQAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=アドービ(日干しれんが)&pg=PA326&printsec=frontcover
- 書籍「川と文化: 欧米の歴史を旅する」秋山紀一, 池田智, 関口宏道、玉川大学出版部 · 2004、p171 「プエブロ・インディアン」「彼らの住居はアドービと呼ばれる日干しレンガで造った家屋で」
https://www.google.co.jp/books/edition/川と文化/99awWMgx_K4C?hl=ja&gbpv=1&dq=彼らの住居はアドービと呼ばれる日干しレ&pg=PA171&printsec=frontcover
- 書籍「クロストーク下」コニー ウィリス · 2021早川書房 「アドービ煉瓦の壁」 https://www.google.co.jp/books/edition/クロストーク_下/Y19NEAAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq="アドービ"+"ニューメキシコ"&pg=PT13&printsec=frontcover
- 書籍「若い読者のための美術史」シャーロット・マリンズ · 2024 すばる舎 「アドービ(日干しレンガの家)」
- 書籍「コン・ティキ号探検記」、トール・ヘイエルダール, 水口志計夫、河出書房新社、2023、p12 「アドービ煉瓦(前出の日に乾した粘土の煉瓦)」https://www.google.co.jp/books/edition/コン_ティキ号探検記/o4_3EAAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=アドービ煉瓦&pg=PT45&printsec=frontcover
- 書籍「オン・ザ・ロード」ジャック・ケルアック, 青山南、河出書房新社、2010、p214 「アドービ煉瓦のスラムが平地に長く延びていた。」
https://www.google.co.jp/books/edition/オン_ザ_ロード/a7pkEQAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=アドービ煉瓦&pg=PA214&printsec=frontcover
- 津山市サイト 「サンタフェ市は、アメリカ合衆国ニューメキシコ州の北部に位置する州都」「12世紀初頭、このあたりを支配していたプエブロ・オブ・アナルコによって建てられたもので、アドービで出来ている。」
https://www.city.tsuyama.lg.jp/article?articleId=65b38d955677ea07dd03ac10
- 晶文社(書籍出版社)公式サイト 「先住民プエブロ・インディアンの土地の神と、スペインからメキシコを渡って北米南部に浸透してきたカトリックが混じって、土地に名前をつけ、アドービ(日干し)煉瓦のキリスト教会を建てた。」
https://www.shobunsha.co.jp/?page_id=2634
- GINZA Magazine(雑誌、株式会社マガジンハウス) 「18世紀に建てられたアドービと呼ばれる日干しレンガの建物」https://ginzamag.com/categories/lifestyle/28174
- ハーマンミラー(1923年創業のオフィス家具メーカー)サイト 「ニューメキシコ州北部の伝統的なアドービ建築様式」https://www.hermanmiller.com/ja_jp/stories/why-magazine/georgia-okeeffe-alexander-girard-new-mexico/
- Esquire(雑誌、株式会社ハースト婦人画報社)サイト 「(砂、砂質粘土とわらまたは他の有機素材で構成された天然建材を使用した)アドービ造りの街並み」「1827 年に建設されたアドービ建築物」https://www.esquire.com/jp/lifestyle/travel/a43786117/california-pacific-coast-highway-drive-2/
- VOGUE JAPAN(雑誌)サイト 「アメリカ・ニューメキシコ州サンタフェ」「アドービ建築の通りや」https://www.vogue.co.jp/gallery/best-place-to-visit-christmas
- ELLE(雑誌、株式会社ハースト婦人画報社) https://www.elle.com/jp/decor/decor-architecture/g62864948/architectural-house-styles-20250203/ 「プエブロ・リバイバル」「天然建材アドービ」
- ベストカー(雑誌、株式会社講談社BECK) https://fullload.bestcarweb.jp/series/13711 「ニューメキシコ州のニックネームは 「Land of Enchantment 」(魅惑の地)。砂漠地帯ではありますが、地層やさまざまな植物で織りなす景色がすばらしく、また街並みもアメリカで2番目に旧い町サンタフェを筆頭に、スペイン風やプエブロインディアン特有の赤土の壁を使ったアドービ式住宅(集合住宅)が各地に見られ、昔から芸術家が好んで住んでいました。」
- 総合的な教育支援の広場(成田 滋 兵庫教育大学名誉教授) 「サンタ・フェのダウンタウンにある歴史地区、特に総督府に隣接するプラザ(Plaza)にはメキシカンフードの人気レストランが立ち並んでいます。街並みは日干しの土で作られた建築物アドービ(Adobe)です。」https://naritas.jp/wp1/wp/ナンバープレートを通してのアメリカの州%E3%80%80そ-19/
- 「ランダムハウス英和大辞典」小学館 adobe n. 1 アドービ[日干し]れんが:粘土とわらの混合物を成形後,天日で乾かして作るれんが. 2 アドービ粘土:れんが製造用の,川に堆積(たいせき)した黄色の沈泥. 3 アドービれんが造りの建物. 4 粘土を含む黒く重い土壌. 5 =mudcap. ━━ adj. ((限定的)) アドービれんが造りの〈建物〉
- 「新英和大辞典」研究社 adobe 1 (天日で乾かして造る)アドービれんが, 日干しれんが. 2 (米国南西部などの)アドービれんが家屋[塀(べい)など]. 3 【土壌】 重粘な土性をもつ土壌《アドービれんがの材料》. ━adj. [限定的] アドービれんが造りの.
日干しの土で作られた建築物は、中東や北アフリカ、そしてスペイン(通常ムデハル様式)で一般的だが、アドービ(アドベ)は数百年もの間、アメリカ合衆国南西部(プエブロ)、中央アメリカ、そして南米のアンデス山脈の地域の、アメリカ大陸の先住民によって使われてきた(ただ、しばしば多量の石もプエブロの建築物の壁に使われている)。このレンガの製作法は、16世紀にメキシコとペルーを探険したスペイン人によって輸入された。通常のレンガのサイズのものから、大きいもので1、2ヤード(0.91~1.82m)の長さのものまであるのが特徴である。
アドービ(アドベ) (adobe) という単語は、4000年間もの間発音と意味に驚くほど小さな変化をきたしながら伝えられている。紀元前2000年の中期エジプト語の単語"dj-b-t"が「泥の(または日干しの)レンガ」を意味し、中期エジプト語が後期エジプト語、民衆文字(デモティック)、最終的にはコプト・エジプト語(およそ紀元前600年)へと変化するにつれ、"dj-b-t"は「トベ」("tobe"、「泥のレンガ」)になった。これはアラビア語の"トゥーブ"(طوب、"レンガ")に発展し、これにアラビア語の定冠詞「アル」(ال)をつけた「アットゥーブ」(الطوب)が古スペイン語に取り入れられ、"泥のレンガ"という意味のアドベ(adobe)となった。英語の語彙には、18世紀初めにスペイン語から導入されて現在に至っている。
現代の用法においては、用語"アドービ(アドベ)"は、北アメリカの砂漠気候地帯、とりわけニューメキシコ州でのプエブロの伝統建築を模倣した一般的な建築物のスタイルを意味するようになった。なお、アメリカ合衆国の南西部にはアドービ(アドベ)以外の素材に「スタッコ仕上げ」(stucco)を施してアドービ(アドベ)建築と外見を合わせた「にせアドービ」(fake adobe)も存在する。
アドービ(アドベ)の素材
アドービ(アドベ)レンガは、水を混ぜた粘土(通常、砂を含む)と、わらか動物の糞などの有機素材で作られている。わらはレンガを固め、均等に乾燥させやすくする働きがある。糞も同じ利点があり、他に昆虫を退けるために加えられる。
アドービ(アドベ)レンガ
アドービ(アドベ)レンガはフタなしの枠で作られる。36cm(14インチ)×25cm(10インチ)が最適のサイズだが、他の使いやすいサイズも許容される。枠に土とわらや糞を混ぜたものを詰めて成形し、すぐに枠を取り外す。数時間乾燥させた後、レンガを立てて十分に乾燥させる。日陰でゆっくりと乾燥させると、アドービ(アドベ)レンガにひびが入りにくい。
レンガの製作よりもわらを少なめにした同様の混合物は、内面と外壁のモルタルとしばしば漆喰のために使用される。いくつかの古代の文化では、雨の害から守るために漆喰用に石灰をベースにしたセメントが使用されている。
アドービ(アドベ)レンガで作られたこれまでで最大の構造物はアルゲ・バムで、2003年12月26日の地震によって重大な被害(最大80%)を受けた。他の大きなアドベ構築物の例としては、ペルーの1億個のサインされたレンガを使って建造されたモチェ文化の神殿である太陽のワカ(Huaca del Sol)や、チャン・チャンとタンボ・コロラド(Tambo Colorado)の遺跡がある。
熱的性質
アドービ(アドベ)壁は、重要な蓄熱材として利用することができる。北半球では、南向きのアドービ(アドベ)壁は室内の加熱と冷却を加減するため非断熱のままにしておいてよい。アドベ壁は暑い日中の間は内部を十分に涼しいままにしておけるくらい厚いのが理想的だが、厚すぎると逆に夜間に壁を通して外に熱することが難しくなる。また熱を効率よく蓄えるため、外壁をガラスで覆っておくこともできる。受動的ソーラー建築設計(passive solar building design)では、このような壁はトロンブ壁(Trombe wall)と呼ばれている。アドービ(アドベ)壁は熱量を蓄える質量の密度が比較的高いため、このタイプの建築物は熱帯性の気候においてもっとも利便性がある。温帯気候の地域では地面と壁から熱が逃げるため、アドベ壁を使った温度調節はあまり効果的ではない。
外部リンク
- The Natural Building Network - 天然建材を扱う建築家、天然建材の専門家、資料のサイト(英文)
- Earth Architecture - 現代の土を使った建築物についてのサイト(英文)。
- Building With Awareness - アドービ壁の作り方と蓄熱壁としての使い方を説明したDVD。
- Cal-Earth (The California Institute of Earth Art and Architecture) が開発し、特許を取得した「スーパーアドービ」: 安定させた土を詰めた袋を積み上げて有刺鉄線で固定し、地震、火事、水害に耐えられるようにした建築。(英文)
- '"Kleiwerks'"- 現在世界中で土を使った天然素材の建築についてユニークな貢献をしている国際機関。実際の経験を通して天然建材の普及をはかることを重視している。(英文)
- EARTHA : Earth Architecture and Conservation in East Anglia- 英国イースト・アングリア地方の、土を使った歴史的建築物の適切な維持と保存に関わる機関。経験豊富な専門家が同地方で定期的に実演を行っており、連絡を取ることもできる。(英文)
- Kerpic.org - 土を石膏で安定させた建材の研究に関わるサイト。(英文)