アナ・ラプウッド

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出生名 Anna Ruth Ella Lapwood
職業 オルガン奏者
合唱団監督
テレビ、ラジオ番組の司会者
公式サイト www.annalapwood.co.uk
アナ・ラプウッド
アナ・ラプウッドの肖像、2024年。
2024年の肖像
基本情報
出生名 Anna Ruth Ella Lapwood
生誕 (1995-07-28) 1995年7月28日(30歳)
バッキンガム州ハイ・ワイコム英語版
職業 オルガン奏者
合唱団監督
テレビ、ラジオ番組の司会者
公式サイト www.annalapwood.co.uk

アナ・ルース・エラ・ラプウッドAnna Ruth Ella Lapwood1995年7月28日 - [1][2]MBE はイギリスのオルガン奏者。2022年にロイヤル・アルバート・ホールロンドン)の任命するアソシエイト・アーティスト(associate artist)に着いて以来、その録音をソーシャルメディアを介して幅広い視聴者に届けている[3]。合唱団の監督、テレビとラジオの司会者でもある。

2016年から2025年まで、 ケンブリッジペンブルック・カレッジで大学合唱団の監督を務め、オックスフォードもしくはケンブリッジ(英語版)の大学合唱団が迎えた歴代監督として、最年少の1人である[2]。 ロイヤル・アルバート・ホールの初代公式オルガン奏者に就任した[4][5]

ペンブルック・カレッジ

ペンブルック・カレッジの教会堂。かつてラプウッドは音楽監督を務めた(2016年2025年)

イギリスのハートフォードシャー出身のラプウッドは音楽に強い関心を示し、11歳で演奏できる楽器は20種類でハープも奏で、16歳でオルガンを弾き始めた[6]王立音楽アカデミーのジュニア部門(Junior Royal Academy of Music)に進むとピアノヴァイオリンヴィオラ作曲を学び、やがてハープ奏者として国立ユース・オーケストラ(National Youth Orchestra of Great Britain)に加わったことを契機に、オルガン演奏の腕を伸ばすと演奏料を得るまでになる[6]。そこでオックスフォード大学モードリン・カレッジでオルガン奨学生の待遇を受けるが、オルガンの女性奏者で学費を免除されるのは同学の560年の歴史で初めてであった[6]。ラプウッドは優等表彰を受けて卒業しケンブリッジ大学ペンブルック・カレッジに職を得た[6]

ペンブルック・カレッジ(ケンブリッジ大学)の音楽監督に任命された2016年当時、21歳だったラプウッドはその地位に就いた最年少のオックスフォード大学またはケンブリッジ大学(オックスブリッジ)在学生であった[7]。2020年にはバイ・フェロー(Bye-Fellow)に選ばれ、やはりカレッジ史上最年少の存在となる[8]

ペンブルック・カレッジ聖歌隊

同カレッジのチャペル聖歌隊の指揮者も兼務したラプウッド[9]は合唱活動に力を注ぐ。2018年に設立した「ペンブルック・カレッジ女子合唱団イーブンソング(夕の祈り)の演奏を披露する慣例を築いたのも、ラプウッドである[10][11]

ラプウッドが率いるペンブルック・カレッジ聖歌隊は2019年、BBC Oneの番組「ブリテンのクリスマス・ストーリー」に出演し、司会はやはり聖歌隊を指揮するカレン・ギブソン英語版が務めた[12]

その同じ2019年、歌い手に初見演奏の技能を教えようと、ラプウッドはペンブルック・カレッジに合唱団をもうひとつ設ける[13]

ザンビア演奏旅行の資金集めからバッハソンへ

2017年にはペンブルック・カレッジ「バッハ演奏マラソン」(バッハソン)を発足させて、当初は聖歌隊遠征の資金集めを意図しながら、やがて音楽への関心を高めようと毎年恒例の企画に育てる。2018年の同企画に参加したオルガン奏者は、全員が女性であった[14]

女性オルガニストの育成については、毎年恒例の「ケンブリッジ・オルガン体験会」も運営する[15]

ペンブルック・カレッジを離任

ラプウッドは2025年2月、2つの役割を両立することがますます困難になったと気づいたと述べ[16]、ペンブルック・カレッジは20242025年度末に離任して、コンサート・オルガニストの道を追求すると発表した[17][18]

イーブンソングの最終公演会はカレッジのチャペルを舞台に6月26日に開かれ[19]、合唱監督として最後の公演は曲目に『From Dusk Till Dawn』を選び、「BBCプロムナードコンサート」(BBCプロムス)に出演した[20]

ロイヤル・アルバート・ホール(2025年就任)

2022年からロイヤル・アルバート・ホールの提携アーティスト(associate artist)として活動してきたラプウッド[21]は2025年5月、初代公式オルガニストに任命され[4][5]、2025年8月8日には「#BBCプロムス」の24時間公演プログラムを監修し、出演した[16]

その他の活動

リサイタルと演奏

ラプウッドが常任オルガニストを務めるロイヤル・アルバート・ホールのオルガン(イギリスのロンドン)

オルガニストとしてイギリス国内のロイヤル・アルバート・ホールに加え、ニューヨークの聖トマス協会英語版で演奏の経歴を積む。2019年はロイヤル・フェスティバル・ホールでオルガンを演奏し、英国アカデミー賞テレビ賞のオープニングを飾り、国内やヨーロッパ各地を巡った[22]

ラプウッドは指揮者としてBBCの「インスパイア・プログラム」(Inspire Programme)に参加してBBC合唱団英語版を指揮した他、合唱のワークショップを海外で展開。訪問先はタイ王国オーストラリアパース)、中国(深圳市上海市)、ザンビア(ルサカ)を訪れてきた。ザンビアではミューズ財団(The Muze Trust)の理事を務め、コーラスも定期的に指導する[23]

歌手として、ギャレス・マローン(Gareth Malone)が率いるプロのアンサンブル「ヴォイシズ」の一員としてテレビ番組に出演した。同アンサンブルの受賞はクラシカル・ブリット賞(英語版)、ロイヤル・ヴァラエティ・ショー(英語)、ナショナル・アイステッズフォド(ウェールズ英語)などを数え[24]、またアルバムを2枚、発表した。

2022年にはアレグザンダー・アームストロング英語版とともに大聖堂音楽信託(Cathedral Music Trust)の大使に任命された[25]

2022年5月、ロイヤル・アルバート・ホールではエレクトロニック・アーティストボノボとそのバンドがコンサート中だった。たまたま前日の早朝、いつものようにメインオルガンでリハーサルをするラプウッドの演奏をバンドのメンバーが耳にして、翌日の公演に招こうという話に進んだという[26]。公演最後の5日目、観客5000人を前にボノボのクロージング公演が始まる。ラプウッドのオルガン伴奏パートは、急いで楽譜を書き起こしてあった[27][26]。この体験を後にふりかえったラプウッドは「本当に人生を変えるもの」と呼び[28]、「これまでの人生で間違いなく最高の瞬間」と語った[27]

当日の動画はSNSでたちまち広まり[29]、ラプウッドの TikTok は視聴件数が560万回を超えた[30]

同ホールにおけるオルガン共演はその後も2023年にミニストリー・オブ・サウンズ英語版の公演[31]Raye[32]と、2024年にはオーロラとも共演した[33]

ロンドン・ブリッジ駅英語版)に新たにオルガンが据えつけられると、ラプウッドは2022年9月に柿落としの演奏を頼まれる。そのオルガンは「ヘンリー」という愛称で呼ばれ、『国王陛下万歳』を演奏するラプウッドは警備員と共演し、Twitter投稿なども伴って同駅は大混雑になった[34][35]

ケルン大聖堂でラプウッドが演奏した無料オルガンコンサートの当日、2025年7月15日に集まった聴衆は1万人超と、収容定員3800人をはるかに上回った。そこでラプウッドはできるだけ多くの観客に聴かせようと、演奏内容を変えて演奏時間を短縮しコンサートを2回開いた[36]

ラジオ、テレビの出演

放送界におけるラプウッドはBBCラジオケンブリッジ局BBC Radio Cambridgeshire)で毎週、クラシック音楽の番組を持っていた(2018年–2020年)[37]BBCラジオ3の定期寄稿者であり同局「レコード講評英語版」(Record Review)ではアンドリュー・マクレガー(Andrew McGregor)と共演[38]BBCは2020年、同組織が主催するコンクール「BBC若手音楽家英語版」の見どころをまとめる番組の企画を立て、ラプウッドを総合司会に迎えた。ただし番組の放送は新型コロナウイルス感染症の世界的流行の最中を避け、翌2021年に電波に乗せた[39]

それ以降、テレビの音楽番組「BBCプロムス」のいつもの司会者としてラプウッドは受け入れられていく。2023年の初回は生放送され、政治家のサンディ・トクスヴィグ英語版オランダ)に加えクライブ・マイリー英語版とともに番組を進めた[注釈 1]。同局の関連番組「ドクター・フー・プロムス」(2024年 Doctor Who Proms)では番組後半でオルガンを演奏している[注釈 2]

ソーシャルメディアで人気を集め[43]、ラプウッドはしばしば「TikTokオルガン奏者」(TikTok organist)と呼ばれ[44]、自らハッシュタグ「#playlikeagirl」(少女のように弾け)を用いてきた[21][45][46]


作曲家として

コーラス曲を2曲、作曲し録音している。

  • O Nata Lux』コーラスのための。04:02[47]
  • 『Winter Time』コーラスとピアノ伴奏のための。03:04[48]

主な受賞

ラプウッドは音楽に寄せた貢献を評価され、2024年新年祝賀英語版の大英帝国勲章(MBE)を授けられ[49]、翌2025年には王立教会音楽学校英語版フェロー(FRSCM)に迎えられた[50][51]

ディスコグラフィー

オルガン所属は特筆する場合を除きイギリス国内。順序は発売日の降順。

題名 共演 オルガン所属 出典(出版社、出版年)
Firedove ペンブルック・カレッジ教会聖歌隊英語版ケンブリッジ ソニー・クラシカル、2025年5月30日[52][53]
The Waiting Sky ペンブルック・カレッジ女子合唱団 (ソニー・クラシカル、2024年)[54]
Midnight Sessions at the Royal Albert Hall ロイヤル・アルバートホール英語版所蔵 (ソニー、2023年4月21日[55]
Luna 王立医学校(サフォーク州ホルブルック) (ソニー・クラシカル、2023年9月29日[56][57]
A Pembroke Christmas
  • ペンブルック・カレッジ女子合唱団
  • ペンブルック・カレッジ聖歌隊(ケンブリッジ)
ケンブリッジ市チェスタートン、聖ジョージ教会 (シグナム・レコード、2022年10月14日[58]
Celestial Dawn ペンブルック・カレッジ教会聖歌隊(ケンブリッジ) ペンブローク・カレッジ教会堂(ケンブリッジ) (シグナム・クラシックス、2022年7月8日[59]
Images イーリー大聖堂 (シグナム・クラシックス、2021年9月3日[60]
All Things Are Quite Silent ペンブルック・カレッジ教会聖歌隊[61] 聖ジョージ教会(ケンブリッジ市チェスタートン) (シグナム・クラシックス、2020年9月25日)
題名共演オルガン所属出典(出版社、出版年)

ギャラリー

脚注

外部リンク

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