アニャー
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アニャー(Anyar、ビルマ語: အညာ)ないし乾燥地帯(かんそうちたい、英語: Dry Zone)とは、ミャンマー・上ビルマの中央部、マグウェ地方域・マンダレー地方域・ザガイン地方域を中心とする地域のことである。ミャンマーにおける総人口のうち4分の1から3分の1が同地域に居住しており、およそ80%が農業に従事している[1][2][3]。
アラカン山脈が季節風を遮るため、まばらかつ不定期にしか降雨しない半乾燥気候となっており、ミャンマーにおいてもっとも水の不足する地域である[1]。森林破壊と肥沃度の低下、水や風による浸食を背景とする土壌劣化と砂漠化が進んでおり、ミャンマー国内においてもっとも食料供給が不安定な地域ともなっている[4]。
範囲
アニャーはマグウェ地方域・マンダレー地方域・ザガイン地方域にまたがる13県・53郡区から構成され、南北に250マイル (400 km)、東西に120マイル (190 km)に伸びる。その面積は、ミャンマー国土のおよそ1割にあたる19,539,494エーカー (79,073.53 km2)である。シュエボー県(英語版)およびカター県(英語版)を北限、シャン高原(英語版)を東限、アラカン山脈を西限、ピイ県(英語版)を南限とする[5]。
自然地理

アニャーの気候は半乾燥(semi-arid)から半湿潤(semi-humid)までさまざまである。降雨は他地域と比較して不定期かつまばらであり、南アジアモンスーン(英語版)による雨季にあたる期間にもしばしば雨の降らない期間が生じる[6]。これは、アニャーにおいては西のアラカン山脈、南のペグー丘陵(英語版)および東のシャン高原が雨蔭となり、季節風が遮られるためである[7][8]。
アニャーは季節風の影響によって二季に分かれ、その平均降水量は28.44インチ (722 mm)である[7]。気温は3月から4月にもっとも高まり、最高気温はおおむね90 °F (32 °C)ほどとなる。気温がもっとも低くなるのは11月から2月にかけてであり、この時期の平均最低気温は50 °F (10 °C)ほどである[9]。
アニャーには、エーヤワディー川とその支流であるチンドウィン川・ムー川(英語版)をはじめとする、いくつかの河川が通る。雨季にはエーヤワディー川がしばしば氾濫するが、それ以外の時期には河床の砂地が見えていることもある[8]。
人文地理

ミャンマーにおける総人口のうち4分の1から3分の1が同地域に居住しており、およそ80%が農業に従事している[1][2][3]。
同地域はミャンマーにおける農業の中心地であり、同国における耕作可能地域の3分の2を占める。アニャーは同国の穀物生産量の35%を占めるほか、畜産をはじめとするその他の農産業も営まれている[10]。同地域の主要な農産物としては、ゴマ・イネ・ラッカセイ・キマメ・ヒヨコマメ・モロコシなどがある[11]。ゴマ(89%)・ラッカセイ(69%)・ヒマワリ(70%)・綿花(95%)についてはミャンマーにおける生産量の大多数を占めている[12]。また、豆類の生産の中心地でもあり、キマメ(92%)・ヒヨコマメ(97%)、リョクトウ(52%)などを生産する。これらのほとんどはインドに輸出される[12]。タマネギをはじめとして、野菜も生産されている[12]。
一方で、アニャーにおいては森林破壊と肥沃度の低下、水や風による浸食を背景とする土壌劣化と砂漠化が進んでおり、ミャンマー国内においてもっとも食料供給が不安定な地域ともなっている[4]。
参考文献
- 1 2 3 “Improving access to water in Myanmar's Central Dry Zone” (英語). PreventionWeb (2018年11月6日). 2025年5月14日閲覧。
- 1 2 “Running dry: A window into the Dry Zone of Myanmar” (英語). UNDP in Asia and the Pacific (2018年9月12日). 2025年5月14日閲覧。
- 1 2 “The Dry Zone of Myanmar: A Strategic Resilience Assessment of Farming Communities”. Mercy Corps(英語版) (2015年3月27日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月7日閲覧。
- 1 2 Weine, N. N. O. (2013), Heshmati, G. Ali; Squires, Victor R., eds., “Review of Efforts to Combat Desertification and Arrest and Reverse Land Degradation in Myanmar” (英語), Combating Desertification in Asia, Africa and the Middle East: Proven practices (Dordrecht: Springer Netherlands): pp. 279–302, doi:10.1007/978-94-007-6652-5_14, ISBN 978-94-007-6652-5, https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-94-007-6652-5_14 2025年5月20日閲覧。
- ↑ “Location, Area and Land Use of Central Dry Zone of Myanmar” (英語). Dry Zone Greening Department (2019年12月13日). 2025年5月14日閲覧。
- ↑ “Dry Zone”. Myanmar Information Management Unit. 2023年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月7日閲覧。
- 1 2 “Rainfall” (英語). Dry Zone Greening Department (2020年6月19日). 2025年5月14日閲覧。
- 1 2 Tun Tun (January 2000). Greening the Dry Zone of Myanmar. オリジナルのApril 21, 2023時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230421061102/https://inis.iaea.org/collection/NCLCollectionStore/_Public/34/001/34001934.pdf 2024年1月7日閲覧。.
- ↑ “Weather and Temperature” (英語). Dry Zone Greening Department (2020年6月19日). 2025年5月14日閲覧。
- ↑ “Greening the Dry Zone”. United Nations Development Programme (2015年6月5日). 2023年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月7日閲覧。
- ↑ David Mather, Nilar Aung et al., 2018. Crop Production and Profitability in Myanmar’s Dry Zone. Feed the Future Innovation Lab for Food Security Policy Research Paper 102. East Lansing: Michigan State University
- 1 2 3 “Annex 2 Seeds, Crops and Livestock Development”. Food and Agriculture Organization of the United Nations. 2025年11月26日閲覧。