アピコプラスト

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アピコプラスト: apicoplast)は、トキソプラズマToxoplasma gondii熱帯熱マラリア原虫英語版Plasmodium falciparumやその他のプラスモジウム属のマラリア原虫マラリアの原因となる寄生虫)など、アピコンプレックス門の大部分の生物にみられる非光合成色素体である。クリプトスポリジウムなどではみられない。アピコプラストは藻類の二次内部共生に由来するが、共生藻類が緑藻であったか紅藻であったかについては議論がある。アピコプラストは四重の膜に囲まれており[1]脂肪酸合成イソプレノイド前駆体合成、ヘム生合成経路の一部など、重要な代謝経路を担っている[2]

アピコプラストは、アピコンプレックス門に属する寄生性原生動物の大部分に残存する非光合成性色素体である[3][4]。アピコンプレックス門の寄生虫の中で最も有名なものとしては熱帯熱マラリア原虫Plasmodium falciparumが挙げられ、重症型のマラリアの原因となる病原体である。アピコプラストは寄生虫の生存に重要であるため、抗マラリア薬の魅力的な標的となっている[5]。具体的には、アピコプラストは植物のような性質を持つため、除草剤の標的となる可能性がある[4]。現行の治療法に耐性を持つマラリア株が出現しており、除草剤のような新規治療法の探索と理解は重要となる[5]

進化的起源

アピコプラストは二次内部共生の産物であり[6]、密接な関係にある渦鞭毛藻類の二次色素体と相同である可能性が示唆されている。太古の藍藻は真核生物細胞に取り込まれたが、宿主の真核生物細胞との共生関係を形成し分解を免れた。この新たな共生によって、真核生物と細菌の双方が利益を得た[7]。この一次共生の結果、光合成を行う真核生物型藻類が誕生した。その後、この真核生物型藻類の子孫が従属栄養型真核生物に取り込まれ、共生関係を形成し、色素体として保存された[8]。アピコプラストは、宿主とオルガネラの関係に有利に寄与するのに必要な機能と遺伝子だけを保存し、新たな役割を進化させてきた。150 kb以上あった祖先のゲノムは、欠失と再編成によって現在の35 kbのサイズにまで縮小された[4]。こうした色素体の変化の過程で、アピコプラストは光合成能を喪失した[8]。機能の喪失は進化の早い段階で起こったと考えられ、光合成を行っていたころの残存物が完全に分解され、ヌクレオモルフが消滅するのに十分な時間が経過したと考えられている[8]

構造と分布

機能

出典

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