アメリカ合衆国の学区
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運営

アメリカ合衆国の公立校の多くは、その運営を単一の市や町のためあるいは複数の町をまとめた地区のために作られた学区に委ねている。学区は特殊な法人団体であり政治的統一体である。通常市や郡と同等とみなされ、課税や土地収用といった同等の権利も持つ。また職員や生徒に深刻な品行や規律問題がある場合、裁判所のような役割を果たすこともある。法律で定められた学区の組織は、教育委員会や理事会と呼ばれ、住民の直接選挙で選ばれたメンバーから成る。この組織がスーパーインテンデント (superintendent) を任命する。スーパーインテンデントは学区長として日常業務の裁断や様々な教育政策を遂行する。そのため公立学校の管理経験者で、Ed.D.など教育分野の博士号所持者であることが多い。
多くの学区はそれぞれが独立しており、学区独自で様々な判断を下す。隣あった学区であっても、学期の始業日、終業日、休日などが異なることもよくある。悪天候の場合も学区内の道路状況を見て各学区が判断を下すため、たとえば同程度の積雪であっても通常どおり登校する学区と休校になる学区がある。中学校や高等学校に進級する学年も学区によって異なるため、隣町に引っ越した小学6年生が中学校へ、中学3年生が高等学校に転校するケースも多い。また就学年齢の区切りとなる誕生日も日本のように全国一律(4月1日)で区切ってはおらず、州によって8月1日から1月1日まで数ヶ月もの開きがあるが、ペンシルベニア州など学区に区切り日の決定権を与えている州もある。このように独立組織である学区には多大な自由と決定権が与えられている。
しかしすべての学校システムが学区を法人団体として制定しているわけではない。二、三の州では学区が郡や地方自治体に従属している。その最たる例はメリーランド州で、郡(あるいはボルチモア市のように郡と同等レベルの独立市)によって学校システムが運営されている。ニューヨーク州では学区も学校システムも各市に従属している。バージニア州では教育助成金が学校の所在する市や郡政府から出ているため学区とは言わず学校区分と呼ぶ。ハワイ州は分割せずに州全体を一つの学区とみなし、州の教育省が管理している。
2002年の国勢調査によるアメリカ合衆国統計局の調べでは、アメリカにおける学校システムの数は以下のとおりである。
- 法律で制定された学区 13,506
- 州に従属した学校システム 178
- 自治体に従属した学校システム 1,330
- 教育サービス機関(公立校への支援サービスを行う機関)1,196
学区は単に学校だけでなく、スクールバスやその駐車場、洗濯場、倉庫、調理場といった学校に関わる設備も運営する。巨大な学区では医療クリニック、テレビ局(多くは CBS、ABC、NBC、 FOX、 PBS あるいは NPRラジオ局 などに公式加盟している)、キャンパス警察署などを抱える。また学校システムによって運営される公立図書館やレクリエーション講座を設ける学区も少なくない。
