アラゲアルマジロ

アルマジロの一種 From Wikipedia, the free encyclopedia

アラゲアルマジロ(学名:Chaetophractus villosus)は、被甲目の Chlamyphoridae に分類されるアルマジロの一種。南アメリカ南部に分布し、草原、サバンナ、ステップ、森林、農地などに生息する[2]

概要 アラゲアルマジロ, 保全状況評価 ...
アラゲアルマジロ
ヴロツワフ動物園英語版の個体
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
Status iucn3.1 LC.svg
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 被甲目 Cingulata
: Chlamyphoridae
亜科 : ムツオビアルマジロ亜科 Euphractinae
: ケナガアルマジロ属 Chaetophractus
: アラゲアルマジロ C. villosus
学名
Chaetophractus villosus
(Desmarest, 1804)[2]
和名
アラゲアルマジロ[3]
英名
Big hairy armadillo[2]
Greater hairy armadillo[2]
Large hairy armadillo[2]
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分類と名称

1804年にアンセルム・ゲタン・デマレ英語版によって新種として発表された[2]。現在の学名 Chaetophractus villosus は、1871年から用いられている[2]ケナガアルマジロ属英語版 Chaetophractus には、本種とケナガアルマジロ英語版 Chaetophractus vellerosus が含まれる[2]

属名 Chaetophractus はラテン語で「毛」または「剛毛(chaeta)」とギリシア語で「守られたもの(phraktos)」に由来し、種小名 villosus はラテン語で「毛深い」を意味する[2]。日本語名(和名)としては「アラゲアルマジロ」が用いられる[3]

形態

頭骨

ムツオビアルマジロ亜科の中では、ムツオビアルマジロに次ぐ大型種である[2]。頭胴長は約260から400ミリメートル、平均約335ミリメートル、体重は2から5キログラムである[2]

背面は骨質の甲で覆われる。甲は、頭部、肩部、腰部を覆う部分と、頸部や胴部の可動帯、尾を覆う部分からなる[2]。背面には、黒色から褐色の長い毛がまばらに生える[2]。腹側や胴の側面にも粗い毛がある。本種は近縁のケナガアルマジロより大型で、背甲が暗く、耳が比較的短い[2]

分布と生息環境

分布域

アルゼンチンボリビアパラグアイグランチャコチリ南部に分布する[2]。アルゼンチンでは広い範囲に見られるが、北西部や北東部の一部では記録が限られる[2]。チリでは、近年の記録は主にアイセン州マガジャネス州からのものである[2]ウルグアイには確実な記録がなく、ラプラタ川が分布を隔てている可能性がある[2]

草原、サバンナ、ステップ、森林に生息する。農地など、人間によって変化した環境にも見られる[2]。アルゼンチンのパンパでは、草丈が低く、腐植に富む土壌の草地に多い[2]

フエゴ島には移入個体群がある。1980年代初頭、アルゼンチン側のリオ・グランデ付近で放された個体に由来し、その後、島内で分布を広げた[4][2]。2020年時点で、アルゼンチン側のフエゴ島では約5,200平方キロメートルに分布し、島内で分布を広げている[2]

生態

半地下性で、巣穴を掘る生活に適応している[2]。巣穴は、捕食者から逃れる場所、餌を探す場所、暑さを避ける場所として使われる[5]。暑い時期には夜間の活動が多くなる[5]

昆虫などの無脊椎動物、小型脊椎動物、果実や植物質、腐肉などを食べる[5][2]。動物の死骸の下を掘り、ウジや幼虫を食べることもある[5]。冬季には植物質も多く食べる[5]

捕食者にはイヌ科動物や鳥類などがいる[5]。捕食者に気づくと近くの巣穴に逃げ込み、四肢で体を固定して引き出されにくくする。巣穴に逃げ込めない場合は、柔らかい腹部を守るため、体を地面に伏せる[5]

繁殖

性成熟は約1年である[2]。交尾期は冬の終わりから春にかけてである[2]。妊娠期間は60から75日で、通常1から2頭の子を産む[2]。幼獣は巣穴の中で育ち、約55日で離乳する[2]

人間との関係

ボリビアやアルゼンチンでは食用にされるほか、背甲が工芸品の材料に用いられる[6]。分布域の一部では、楽器の材料として利用されることもある[6]。農地では、巣穴による地面の凹凸や穀物袋への被害などから、農業害獣として駆除されることがある[2][5]。交通事故で死亡することもある[2]

動物園で飼育されるほか、生理学研究のために飼育された例がある[2]。飼育下では、動物性たんぱく質、果物、野菜、ビタミン・ミネラル補助、昆虫などを組み合わせて与える[2]

保全状況

国際自然保護連合IUCNレッドリストでは、分布域が広いこと、個体数が多いとみられること、保護区にも生息すること、人間によって変化した環境にも生息できることから、低危険種に分類されている[1][2]

脚注

外部リンク

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