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アルゼンチンの鳥

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アルゼンチンの鳥(アルゼンチンのとり、Aves Argentinas/Asociación Ornitológica del Plata)は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスに本部を置く非営利の野鳥保護団体である。1916年7月28日にSociedad Ornitológica del Plata(ラプラタ鳥類学協会)として設立された[1]。

略称 AA、AOP
前身 Sociedad Ornitológica del Plata
設立 1916年7月28日
設立者 ロベルト・ダッベネ、エドゥアルド・ホルムベルグ、フアン・バウティスタ・アンブロセッティ、アンヘル・ガジャルド 他
概要 略称, 前身 ...
アルゼンチンの鳥
Aves Argentinas /
Asociación Ornitológica del Plata
略称 AA、AOP
前身 Sociedad Ornitológica del Plata
設立 1916年7月28日
設立者 ロベルト・ダッベネ、エドゥアルド・ホルムベルグ、フアン・バウティスタ・アンブロセッティ、アンヘル・ガジャルド 他
設立地 アルゼンチン・ブエノスアイレス(マンサナ・デ・ラス・ルセス内の国立自然史博物館)
種類 非営利の民間社団法人(自然保護団体)
法的地位 非営利法人
目的 野生鳥類とその生息環境の研究・保全
本部 アルゼンチン・ブエノスアイレス自治市
会員数
約4,000人(2025年時点)
事務局長 エルナン・カサーニャス
会長 フアン・マリア・ラジオ
主要機関 理事会
加盟 BirdLife International(アルゼンチン代表団体)
関連組織 Alianza del Pastizal(草原同盟)
ウェブサイト https://www.avesargentinas.org.ar
かつての呼び名
Sociedad Ornitológica del Plata(1916年設立時)、Asociación Ornitológica del Plata(20世紀後半 - 2000年代)
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南米における最古の鳥類学団体の一つであり、新熱帯区における最初の鳥類学専門誌『エル・オルネロ』(El Hornero)の創刊(1917年)の母体ともなった[2]。

国際的な鳥類保護ネットワークであるBirdLife Internationalのアルゼンチンにおけるパートナー団体であり[3]、野生鳥類とその生息環境の調査研究、保護区の創設・管理、環境教育、普及啓発などを通じて、アルゼンチン国内に生息する1000種以上の鳥類とその生息地の保全に取り組んでいる[3][4]。

概要

アルゼンチンの鳥 (Aves Argentinas) の組織理念は「野生鳥類とその生息環境の研究と保全」であるとされ[5]、研究者・教育機関関係者をはじめとする会員によって構成され、国立科学技術研究会議(CONICET)や国内各大学に所属する鳥類学研究者・奨学生も多数参加している[5]。2025年時点で全国に約4,000人の会員と、80を超える系列のバードウォッチャーズ・クラブ(Clubes de Observadores de Aves, COA)の広範なネットワークを有する[6]。

活動領域はパタゴニア、パンパ草原地帯、グラン・チャコ、ミシオネス州の亜熱帯雨林(密林)、アルゼンチン沿岸の海域など国内の多様な生態系に及び、絶滅危惧種の保護や保護区の創設・管理、環境にやさしい生産活動の推進、密猟・違法取引対策、環境教育などを通じて活動している[6][7]。

沿革

設立

1916年7月28日、ブエノスアイレスの歴史的街区「マンサナ・デ・ラス・ルセス」内にあった国立自然史博物館に集った研究者や学識者によって、「Sociedad Ornitológica del Plata(ラプラタ鳥類学協会)」が設立された[1]。

設立にはロベルト・ダッベネ、エドゥアルド・ホルムベルグ、フアン・B・アンブロセッティ、アンヘル・ガジャルドらが中心的な役割を果たし、アルゼンチン初の女性医師として知られるセシリア・グリエルソンや、博物学者・作家のギジェルモ・エンリケ・ハドソン(在外通信員として)も創立に関わったとされる[1]。設立の目的は、鳥類を愛好する人々を結集するとともに、当時すでに進行していた自然環境の荒廃に警鐘を鳴らすことにあり、アルゼンチンにおける環境保護運動の出発点の一つとも位置づけられている[1]。

設立の翌年にあたる1917年には、学会誌『エル・オルネロ』の創刊号が発行された。創刊号の巻頭論文は当時の会長であったロベルト・ダッベネによって執筆され、鳥類学の意義と同協会の目的が論じられた[1]。同誌は南米熱帯地域における鳥類学の専門誌として先駆的な存在となった[2]。

名称の変遷

設立後、団体名は「Asociación Ornitológica del Plata, AOP」に改称され、アルゼンチンにおける鳥類の研究・保全を目的とする最も重要な民間団体として発展した[1]。2000年代前半には、対外的な発信力を高める目的で名称が「Aves Argentinas/Asociación Ornitológica del Plata」へと改称され、現在に至っている[1]。

創立100周年以降

2016年には創立100周年を迎えた[8]。2022年には、アルゼンチンの鳥 (Aves Argentinas)が主導したアンセヌサ国立公園(Parque Nacional Ansenuza)の創設が実現し、60万ヘクタールを超える湿地が新たに保護下に置かれた[9]。2025年には、ブエノスアイレス自治市議会において、環境および文化への貢献が評価され、団 体および当時の会長フアン・マリア・ラジオが表彰された[6]。

活動内容

保全プログラム

アルゼンチンの鳥 (Aves Argentinas)は、重要地域の特定・監視・現地能力の構築・管理活動という3つの段階を柱とする保全プログラムを展開しており[10]、地域別には以下のような個別プログラムを運営している[7]。

  • 北東部・グラン・チャコ地域プログラム(NEA y Gran Chaco)
  • パンパ草原プログラム(Pastizales)
  • パタゴニアプログラム(Patagonia)
  • 海洋プログラム(Programa Marino)
  • 渡り経路プログラム(Rutas Migratorias)
  • 保護区プログラム(Áreas protegidas、自然保護区プログラムを含む)

自然保護区プログラムは、私有および公有の自然保護区の創設・発展・強化・定着を支援することを目的として2021年に正式に発足したが、アルゼンチンの鳥 (Aves Argentinas)自体は40年以上前から保護区の管理に携わってきた[11]。具体的な活動としては、自然資源の調査、研修の実施、管理・環境回復に関する助言、保護区の管理計画の策定などが行われている[11]。

ミシオネス州ペニンスラ・デ・アンドレシートにある自然保護区「エル・プエンテ・ベルデ」では、季節ごとにボランティアを募集し、密林の保全活動への参加を呼びかけている[12]。

種の保存プロジェクト

代表的な種別保護プロジェクトの一つに、パタゴニアカイツブリ(Hooded Grebe, Podiceps gallardoi)の保護活動「プロジェクト・マカ・トビアーノ」がある。本種は南パタゴニアの限られた湖沼にのみ生息する絶滅危惧種で、1980年代には約5000羽が確認されていたが、2015年には約500羽にまで減少したとされる[8]。アルゼンチンの鳥 (Aves Argentinas)は現地団体アンビエンテ・スールとともに本プロジェクトを推進し、個体数をおよそ800羽前後で安定させることに成功したが、依然として外来種(ニジマス等)の影響など複数の脅威にさらされている[8]。

また、違法な野生生物取引対策の一環として、絶滅危惧種であるコクカンチョウ(Yellow Cardinal, Gubernatrix cristata)の密猟・密輸事案への対応に取り組んでおり、関係する保護センターや法執行機関、国の環境関連機関と連携しながら、過去8年間で200羽を超える同種の救出・野生復帰を実施してきた[9]。このほか、アルゼンチン国内で野生絶滅していたルリコンゴウインコ近縁種のアカビタイヒメコンゴウインコ(Primolius maracana)の再導入事業にも取り組んでいる[9]。

持続可能な生産活動の推進

アルゼンチンの鳥 (Aves Argentinas)は、牧畜業者・研究者・保全団体からなる地域連携組織「Alianza del Pastizal(草原同盟)」の設立団体の一つであり、アルゼンチン・ブラジル・ウルグアイ・パラグアイにまたがる草原生態系で、生物多様性に配慮した持続可能な牧畜のあり方を提唱している[13]。

近年は、土壌炭素クレジットの開発企業であるBoomitraやBirdLife International、資源大手リオ・ティントとも連携し、アグアペイ川流域における新たな研究拠点の設立を含む、草原同盟の活動拡大に取り組んでいる[14]。

このほか、BirdLife Internationalの「フォレスト・インパクト・アクセラレーター」プログラムの支援を受け、ミシオネス州の亜熱帯雨林(大西洋岸森林)において、鳥類に配慮したマテ茶(イェルバ・マテ)栽培を通じた森林再生事業も展開している[3]。

教育活動

教育部門として「アルゼンチン博物学者学校」(Escuela Argentina de Naturalistas, EAN)を運営しており、本部のあるブエノスアイレス自治市のほか、ブエノスアイレス州チャスコムス、ミシオネス州ポサーダス、コルドバ州モルテーロスなど複数の都市で講座を開講している[15]。

EANは国立公園管理局(Administración de Parques Nacionales)から2002年以降、ビダ・シルベストレ財団(Fundación Vida Silvestre)から2010年以降にそれぞれ認定を受けているほか、2004年にはブエノスアイレス自治市議会から「環境分野における関心事項」として宣言されている[15]。

学術活動

学会誌『エル・オルネロ』(El Hornero)は1917年の創刊以来、半年刊の査読制学術誌として刊行が続けられており、現在はブエノスアイレス大学(UBA)理学部生態・遺伝・進化学科がアルゼンチンの鳥 (Aves Argentinas)に代わって発行業務を担っている[2]。このほか、毎年「アルゼンチン鳥類学会議」(Reunión Argentina de Ornitología)を開催するとともに、鳥類学分野の研究助成(奨学金)制度を運営している[7]。

組織体制

アルゼンチンの鳥 (Aves Argentinas)は理事会によって運営される非営利の民間社団法人であり、2025年時点の会長はフアン・マリア・ラジオが務め、組織の実務運営の責任者である事務局長(Director Ejecutivo)にはエルナン・カサーニャスが就いている[6][16]。本部はブエノスアイレス自治市マテウ通り1248番地に所在する[15]。

評価・受賞

2025年、アルゼンチンの鳥 (Aves Argentinas)およびその会長フアン・マリア・ラジオは、環境および文化分野での長年にわたる功績が評価され、ブエノスアイレス自治市議会から表彰を受けた[6]。

関連項目

外部リンク

脚注

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