アンスコムの例
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概要

アンスコムの例は右のグラフに示された4つのデータセットからなる。4つ全てについて以下が成り立つ。
第一の散布図(左上)は、両変数が相関し正規性の仮定にも従う単純な線形関係があるように見える。一方二番目のグラフ(右上)では、二変数の間に確かに相関関係があるのが認められるが、それは線形関係ではない。従ってピアソンの積率相関係数を用いるのは不適当である(より一般的な回帰、そしてそれに関しての決定係数を用いるのがより適当だろう)。3番目のグラフ(左下)では、分布は線形であるが、回帰直線はその分布と異なっている。その違いは外れ値の存在に起因している。この外れ値の影響で回帰直線が変わり、相関係数は1から0.816に下がってしまっている(この場合はロバスト回帰が必要となる)。最後の4番目の例は、本来線形関係にない二変数でも、外れ値が一つあれば高い相関係数が算出されてしまうことを示した例である。
この例は現在でも、データセットをある特定の関係に当てはめて分析する前に図を用いて可視化するのが重要であること、そしてデータセットの実際を表現するには基本統計量だけでは不十分であることを示す例としてしばしば使われている[2][3][4][5][6]。
実際のデータセットは以下の通りである。なお、x の値は最初の3つのデータセットでは全て等しくなっている[1]。
| I | II | III | IV | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| x | y | x | y | x | y | x | y |
| 10.0 | 8.04 | 10.0 | 9.14 | 10.0 | 7.46 | 8.0 | 6.58 |
| 8.0 | 6.95 | 8.0 | 8.14 | 8.0 | 6.77 | 8.0 | 5.76 |
| 13.0 | 7.58 | 13.0 | 8.74 | 13.0 | 12.74 | 8.0 | 7.71 |
| 9.0 | 8.81 | 9.0 | 8.77 | 9.0 | 7.11 | 8.0 | 8.84 |
| 11.0 | 8.33 | 11.0 | 9.26 | 11.0 | 7.81 | 8.0 | 8.47 |
| 14.0 | 9.96 | 14.0 | 8.10 | 14.0 | 8.84 | 8.0 | 7.04 |
| 6.0 | 7.24 | 6.0 | 6.13 | 6.0 | 6.08 | 8.0 | 5.25 |
| 4.0 | 4.26 | 4.0 | 3.10 | 4.0 | 5.39 | 19.0 | 12.50 |
| 12.0 | 10.84 | 12.0 | 9.13 | 12.0 | 8.15 | 8.0 | 5.56 |
| 7.0 | 4.82 | 7.0 | 7.26 | 7.0 | 6.42 | 8.0 | 7.91 |
| 5.0 | 5.68 | 5.0 | 4.74 | 5.0 | 5.73 | 8.0 | 6.89 |
近年では、この例のような同一の統計量と異なる見た目をもつデータセットを作出する方法が開発されている[7]。