アンセム

From Wikipedia, the free encyclopedia

アンセムanthem)とは、次のような意味を持つ。

元々は聖公会教会音楽の一種。聖歌、交唱賛美歌。

あるいは特定の集団のシンボルとしての賛歌、祝いの歌、祝曲。「国歌」(national anthem[注 1]、「応援歌」(sports anthemstadium anthemarena anthem)など。

さらにアンセムにはイギリスの戴冠式に特化した器楽曲もある。

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの『O taste and see』は小規模作品だが、エリザベス2世の戴冠式に演奏された。

アンティフォナの語源でもある、ギリシア語: αντιφωναローマ字転記 antiphōna)から、ラテン語の「antefana」が派生し、その後、低地ドイツ語の「antefn」に変化した[1]

教会音楽のアンセム

教会音楽、とくにイングランド国教会礼拝(サーヴィス)におけるアンセムはルブリカ(Rubric)の定めに従って、朝・夕両方の祈りで第3の特祷の後に行われる。歌詞は聖書や儀式文集から取られる。曲は一般に、賛美歌より凝っていて、変化に富んでいる。

イングランド国教会のアンセムは、会衆ではなく訓練を積んだ合唱隊のために作られる。カトリック教会およびルーテル教会モテットと似ているが、基本的に歌詞は英語である。カトリックの「votive antiphon」すなわち聖母マリアなど聖人への祈祷に付属する歌の代用として発展した。エリザベス朝1558年 - 1603年)には、ウィリアム・バードトマス・タリスらがアンセムを作曲したが、「アンセム」という語の祈祷書[どれ?]初出は1662年であった。

多くのプロテスタント教会では、「アンセム」という語をあてて礼拝式で奏でたり歌う短い合唱曲をさす。聖公会の文脈では、アンセムとは英語の歌詞に曲をつけたものである。それらの由来を受け、「アンセム」という語は現在のように広義に使われるようになった。

音楽理論

初期のアンセムは、言葉がはっきり聞き取れるように、歌詞は単純でホモフォニーにする傾向があった。16世紀後期には、独唱パートと合唱パートが交互に歌われるヴァース・アンセムが登場し、王政復古期にはそれが主流になった。たとえば、ヘンリー・パーセルジョン・ブロウといった作曲家たちは、チャペル・ロイヤルのために、管弦楽の伴奏付きのヴァース・アンセムを作曲した。

19世紀、サミュエル・セバスチャン・ウェズリー(Samuel Sebastian Wesley)は複数の楽章に広げたアンセムを作曲した。演奏時間は20分超であり、当時のオラトリオの影響を受けた。

19世紀後期には、チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード交響曲の技法を使って作曲し、より簡潔にかつ統一感をもたせた。それ以降、その手法で多くのアンセムが生まれ、プロの作曲家よりも、主にオルガニストが作曲を担当し、様式は保守的に偏りがちだった。

プロの作曲家にアンセムを委嘱する場合は、特別の行事のためであった。例としてエドワード・エルガーの管弦楽伴奏付き『主は偉大なり』(Great is the Lord)や『主に捧げよ』(Give unto the Lord)、ベンジャミン・ブリテンの『キリストによりて喜べ』(Rejoice in the Lamb[注 2]がある。

国際機関の儀式に用いられるうち、北大西洋条約機構(NATO)の関連行事で演奏する器楽曲は1989年に作曲され[2]、歌詞はない。非公式に使われてきて2018年1月に正式採用される[要出典]

その他の現代のアンセム

現代では、「アンセム」という語は、「国歌」や「応援歌」など特定の集団を祝う曲に対して用いられている。ポピュラー音楽の中にも、クイーンの『伝説のチャンピオン』はスポーツ応援歌に使われている。フリートウッド・マックの『牙(タスク)』もそれを前提に作られた。

また、特定の音楽ジャンル、バンドやグループの代表曲という意味で使われる場合もあり、ある映画の主題歌ではなく、主題を代表する劇伴を指すこともある。感動させる音楽を表すのに「anthemic」(アンセミック)という造語も生まれた。

アメリカ文学O・ヘンリーの「Cop and Anthem」がある[3]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI