イネガル奏法が適用される条件は、順次進行の旋律で、拍を分割していることである。正確にいえば、拍子記号の分母の数字よって表示される基本的な拍単位(4/4拍子であれば4分音符、3/8拍子であれば8分音符)を分割する、一対の音符であることである。拍単位そのものを表す音価の音符には適用しない。
また、具体的にどの音価にイネガル奏法を適用するかは、拍子によって確定される。バロック時代のフランスにおいては、未だテンポと拍子が強い結びつきを持っていたからである。テンポが速ければより大きな音価の音符に、テンポが遅ければより小さな音価の音符にイネガル奏法を適用しなければならない。例えば、多くの拍子では8分音符が不均等となるが、アルマンドなどの遅い4拍子などでは、16分音符が不均等となる。