イボキサゴ

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イボキサゴ Umbonium moniliferumは、海棲巻貝の一種で、ニシキウズガイ科の腹足類軟体生物である[1]

貝殻の大きさは10 mm から 20 mm の間である。円錐形の螺塔英語版は、高さが低く扁平した形をしている。殻の色は、黄色・ピンク色・もしくは白色っぽい部分と、紫褐色または青みがかったスレート色とで緻密なモザイク模様を示し、基底部は紫がかった肉色である。表面には磨かれたような光沢があり、貝殻の渦巻英語版上にらせん状の溝が通常3 - 5つ刻まれているが、しばしば退化しかかっている。縫合線の縁には、殻の渦に沿って8 - 11個の目立った結節が見られることがある。和名の「イボ」はこれに由来する[2]。殻にはおよそ6周の渦があり、その最も外側はほぼ丸い形で下に突き出ている。滑層 (callus)は重量があり、凸状の円形を示す[3]

キサゴと比較して殻が小さく、滑層は大きい[4]

生態

内湾的環境の砂泥底に群生し、秋のおわり頃に放精・放卵する。稚貝は冬、年明けに着底する。タイワンガザミイシガニはイボキサゴの幼貝を好み、夏季に半数程度が捕食される。生存した幼貝はその年の秋には成貝に成長し、集団での生殖に参加する[5]。キサゴに比べて浅い潮間帯に生息するイボキサゴでは、キサゴのように俊敏なヒトデに対する逃避行動は見られない[6]

分布

本種は日本大韓民国に分布する[4]。日本においては東北地方から九州沿岸に分布し、浜名湖瀬戸内海中西部に「健全な個体群」が見られる[4]。一方、大都市圏に近い海域(東京湾伊勢湾三河湾博多湾)では生息が減少し、限られた場所でしか発見されなくなっている[4][7][8]環境省は、2012年の第4次レッドリストで本種を準絶滅危惧 (NT)に位置づけ[9]、2020年の最新版でも同じ評価である[10]

生活環境としては浅瀬干潟に多く生息するとされる[11]

人との関係

脚注

参考文献

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