イボテン酸
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| 物質名 | |
|---|---|
(S)-2-Amino-2-(3-hydroxyisoxazol-5-yl)acetic acid | |
別名 Ibotenic acid | |
| 識別情報 | |
3D model (JSmol) |
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| ChEBI | |
| ChEMBL |
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| ChemSpider | |
| ECHA InfoCard | 100.151.170 |
| EC番号 |
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| KEGG | |
PubChem CID |
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| UNII | |
CompTox Dashboard (EPA) |
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| 性質 | |
| C5H6N2O4 | |
| モル質量 | 158.113 g·mol−1 |
| 融点 | 151-152 °C (無水物) 144-146 °C (一水和物) |
| H2O: 1 mg/mL 0.1 M NaOH: 10.7 mg/mL 0.1 M HCl: 4.7 mg/mL | |
| 危険性 | |
| GHS表示:[1] | |
| Danger | |
| H301 | |
| P264, P270, P301+P316, P321, P330, P405, P501 | |
イボテン酸(イボテンさん、ibotenic acid)は、アミノ酸の一種であり、テングタケ科のキノコに含まれる。竹本常松らによってイボテングタケから1962年に発見される。テングタケやベニテングタケからも単離される[2]。
イボテン酸には向精神薬としての性質もあり、ヒトにおいては興奮性の効果を示すが、体内で脱炭酸によりムッシモールに変化すると、中枢神経系においてγアミノ酪酸(GABA)の作動薬となって主に抑制系の効果を示す[2]。
性質
中毒
イボテン酸は、興奮性アミノ酸のアスパラギン酸の作動薬であり、ムッシモールは、抑制系のγアミノ酪酸(GABA)の作動薬である[2]。人体では、食べた場合には、イボテン酸は血液脳関門を通過せず、ムッシモールとなって働く[2]。ムッシモールは、GABA受容体に結合することで、神経伝達物質の放出頻度を落とすように作用する。つまり、脳の働きを不活発にするということである。よって、興奮と抑制が同時に起こる複雑な中毒症状が発現する。成人ではムッシモールの影響が強くあらわれ、眠気、不快感、めまい、時に睡眠し、小児ではイボテン酸の影響が強く、多動、興奮、譫妄、痙攣が生じる[8]。成人では死亡はほとんどない[8]。子供では大量摂取により、痙攣、昏睡などの症状が12時間以上続く場合がある[8]。
ヒトの中枢神経系を乱す閾値はムッシモールが6–12mg、イボテン酸は30–60mgほどと考えられるため、主要な中毒成分はムッシモールだともいえる。また、テングタケはムスカリンも0.0003%程度含むので、中毒症状を一層複雑なものにしている。
その薬理作用から、世界中で古くからシャーマニズムの儀式に用いられた。また、イボテン酸はアルコールに溶解しやすく、かつてのヴァイキングなどは蒸留酒にテングタケを漬けた薬用酒を闘いの士気高揚のために飲んでいたという。アメリカなどでは、テングタケの傘の皮をはがして乾燥させたものをタバコのように吸って薬物の代替品として用いることもある。ただし、テングタケは猛毒のα-アマニチンも微量ながら含むため、安易に摂取すべきではない。


