発明した楽器の中で最も有名なものに、片手で2オクターブの音程を掴むことができるように手鍵盤を上下2段に重ねた[1]「エマヌエル・モール式ピアノフォルテ(英語:Emánuel Moór Pianoforte)」がある。「デュプレクス=カプラー・グランド・フォルテピアノ(英語:Duplex-Coupler Grand Pianoforte、「2段鍵盤式グランドピアノ」の意味)」との通称でも知られるが、この別名はモール本人が名付けたものではない。モーアは、再婚相手のイギリス人ピアニスト、ウィニフレッド・クリスティとともに、この2段鍵盤式ピアノを欧米の演奏会で用いて積極的な普及に努めた。モーリス・ラヴェルは、標準的なピアノで2手で弾くために自分が作曲した作品の場合でも、エマヌエル・モール式ピアノフォルテで演奏すると、自分が真に意図した響きが再現できると太鼓判を押している[2]。