カケ (キャラクター)
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- DFT (1968–1971)
- Revolt Press (1971–1980)
- Coq (1971–1980)
- Tom of Finland Company (1982–1986)
| Kake | |
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| 初登場 | Kake: The Intruder (1968) |
| クリエイター | トム・オブ・フィンランド |
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カケ(芬: Kake, [ˈkɑke])[1]はフィンランド人アーティストのトウコ・ラークソネンがトム・オブ・フィンランドの筆名で発表したキャラクター。レザーの衣服を着用し、超男性的な肉体を持つゲイ男性で、コミック作品ではその性体験が主題となる。ラークソネンが1968年から1986年にかけて描いた全26号のエロティックなコミックブック『カケ』でタイトルロールを務めたのが初出である。
ラークソネンはレザー系男性の絵を1950年代から描いてきた。『フィジーク・ピクトリアル』誌ではコミック形式の作品を発表していたが、誌上に掲載されるのは一部の抜粋だけで、作品本体は5枚から15枚のコマの組として印刷されて通信販売されていた。ラークソネンは1960年代後半にデンマークのポルノ出版社DFTの依頼を受け、最初のコミックブック形式の作品として『カケ』誌を出した。その後版元は1971年にリヴォルト・プレスに、1982年にはトム・オブ・フィンランド・カンパニー社に移った。
カケに代表されるラークソネンのレザー男性はゲイ・カルチャーの一派であるレザー文化に大きな影響を与えた。ラークソネンの「もっともアイコニックなキャラクター」とされたり、「ゲイ世界のもっとも有名なピンナップ・アイコン」と呼ばれることがある。
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カケは性的な要素が強調された極度に非現実的なキャラクターで、発達した筋肉や並外れて大きいペニスといった超男性的な身体的特徴を持つ。多くの作品では口ひげを蓄えたレザー系の男性として描かれる。着用するのは革ジャン、革のブリーチズ(膝丈ズボン)、革のニーハイブーツ、革の制帽型キャップなど、バイカー文化と関連付けられる服装である。ほかにも警官や機械工といった一般にフェティシズムの対象となる制服を着ることがある[2]。
友好的で屈託ない性格と、特定の相手に限定されない性的放逸さはキャラクター面の決定的な特徴である。人好きのする性質は、一般のヘテロセクシュアル文化においてレザー系男性が脅威や危険のイメージを持たされるのと対比させる意図がある。出会い頭の性行為が行われるのには1960年代に起きた性の解放運動の精神が反映されている[1][2]。作家のF・ヴァレンタイン・フーヴェン三世によると、『カケ』のコミックではBDSMやレイプへのフェティシズムのような主題への偏重が見られるが、カケが行う嗜虐行為は「無邪気な愉しみ」として描写されており、カケ自身もすすんでそれらの行為を受ける[1]。
『カケ』の典型的なエピソードでは、カケが同様に筋肉質で巨根の男性(一人もしくは複数)と出会い、性交する。相手の男性は警察官、船員、木こり、商売人、カウボーイといった伝統的な男性の役割を体現した元型的なキャラクターであることが多い。背景となる場所は、公衆トイレや公園のようにゲイ文化の文脈で意味がある(英: cottaging, cruising)。通常の号はおよそ20ページからなる。各ページは一つの大きなコマとなっており、セリフはほとんどない。まれに短い感嘆的なセリフが発せられたり、絵の中に看板やグラフィティとして言葉が描かれる場合には英語が用いられる[3]。
出版史
背景

ラークソネンはコマ割り漫画の制作を1946年に始めた。友人に贈るための私的な作品だった[4]。レザー系の男性の絵を描き始めたのは1950年代のことだった[5]。雑誌に漫画を投稿するようになったのは1960年代からである。最初の商業作品 The Tattooed Sailor は1961年8月に『フィジーク・ピクトリアル』誌に掲載された。同誌では1957年からイラストレーションの発表を行っていた[2]。初期の商業作品はイラストレーションも漫画も明確なポルノグラフィではなく、ホモエロティシズムが暗に表現されていた。1960年代後半に法的な規制が緩められるにつれ、ラークソネンは公然と性を表現し始めた[6]。それらの漫画は初め単発の読み切りであったが、ラークソネンは1965年にキャラクターを再登場させる試みを行い始めた。マイクという名のキャラクターが第1号で[注 1]、次いでターザンにヒントを得たジャックが登場した[2]。
制作
『カケ』の発刊は、デンマークのポルノ出版社DFTでゲイ部門を統括していたミカエル・ホルムが1960年代後半に定期コミックシリーズをラークソネンに依頼したのが発端である[7]。低コストでアートを再現できるように、本文ページは白黒の線画、表紙は細密な鉛筆画で構成された[8]。ラークソネンは写真資料に基づいて描くことが多く、友人やアマチュアのモデルに制服を着せたりポーズを取らせて自ら資料を撮影した[9]。カケの外見はラークソネンが定期的に写真モデルとしていた北部フィンランド出身のエーロという男性がモデルになっている[10]。ラークソネンはストックホルムでエーロと出会った。エーロは1960年代から1970年代を通して頻繁にヘルシンキを訪れてカケの写真モデルを務めた[10]。「カケ (Kake)」の名はフィンランド語の愛称で、英語の「ブッチ (Butch)」に似てマッチョな含意がある[1]。ラークソネンの友人にも「カケ」の名を持つ者がいた[11]。
刊行
『カケ』シリーズ第1作 Kake: The Intruder は1968年にDFTから出版された[12]。ラークソネンが『フィジーク・ピクトリアル』誌で発表したコミックの初期作は、誌面に掲載されるのは一部のみで、作品全体は5コマから15コマで1セットのプリント版としてページ当たり1.5ドルで販売されていた。『カケ』はそれと異なり独立したコミックブックとして販売された[13]。DFTとのビジネス関係は円満ではなく、ラークソネンは『カケ』の原稿料が低いと考えていた。コミック原画もDFTが所有する契約だった[10]。ホルムは1970年に母国のスウェーデンで自身の会社リヴォルト・プレスを立ち上げると、原稿料の増額と原画所有権を条件にして『カケ』を移籍するようラークソネンに持ち掛けた[10]。ラークソネンはこれを了承し、『カケ』は1971年からリヴォルト・プレスから刊行されるようになった[12]。同年にデンマークの出版社 Coq も『カケ』を出版し始めた[12]。
1979年、ラークソネンはダーク・デナーとともに通信販売会社トム・オブ・フィンランド・カンパニーを設立した。ラークソネンのアートを用いた商品や、『カケ』を含むすべての書籍を独占的に出版・製造する会社だった[12][14]。同社は1982年に最初の出版物として『カケ』の新作 Kake in the Wild West を出した。同作の初版はすぐに完売した[15]。ページを増量し、紙質を向上させ、イラストレーション資料を集めた「トムズ・アーカイブズ」節を追加した第2版も完売した[16]。このヒットを受けて、トム・オブ・フィンランド・カンパニーはラークソネンが版権を取り戻した『カケ』旧号を同様のプレミア版コミックブックとして再版していった[17]。
『カケ』シリーズ最終作 Kake: Oversexed Office は1986年に刊行された[12]。ラークソネンは1988年に肺気腫と診断されて以降、手に振戦を生じて絵が描けなくなり、1991年に没した[18]。『カケ』は何度か書籍化されており、美術書出版社タッシェンからはシリーズ全作を収録した The Complete Kake Comics が2008年に刊行されている[19]。『カケ』原画の大半はトム・オブ・フィンランド財団によって収集され、書庫に保管されている[12]。
