日本において、本機種は2年程度しか発売されなかった[4]が、発売から数年後の1985年に発表された『アンダー・ミー・スレン・テン(英語版)』[注釈 2]というレゲエの楽曲にてこのパターンが用いられて以来、同楽曲はリディムという形で多くのレゲエの楽曲に使われるようになり、レゲエに革命を起こした出来事として知られるようになった[3]。
一方、当時のカシオの楽器事業は成功を収めており、奥田も複数の開発案件で多忙だったため、営業部から本機種が中南米で人気があると聞かされても、ジャマイカのことだとは気づかなかった[3]。その後、奥田は日本の音楽雑誌『ミュージック・マガジン』の記事の中でカシオトーンが言及されていることに気づき、そのビートを示す「ブブブブ、ブブブブ、ブブブブ、ブッブ」というオノマトペから本機種に搭載された「rock」のことだと知った[3][4]。
奥田は、リズムパターン制作にあたり、リズム構成を単純化するなどしてトースティングしやすくしたことにはこだわったとも話しており、そこがジャマイカの人々に受け入れられたのではないかと後年のインタビューの中で推測している[2]。
レゲエでの広まりから著作権を申告すべきではないかという意見もあったが、奥田は多くの人が用いることでカシオトーンの知名度を上げることが重要だと考えからそのようなことはしなかった[3]。それでも、スレンテンの音源を特定してカシオに使用許諾を申請する者もおり、その場合はクレジットにMT-40の音源を使用している旨を記載するよう回答している[3]。
また、カリフォルニアのインディーロック・バンド、ピクチャー・アトランティック( Picture Atlantic)の"Anytime/Coats of Armor"(アルバム"Kleos"収録)[6]など、レゲエ以外の分野での使用例もある。
なお、このリズムパターンは、のちにカシオから発売されたCasiotone ミニキーボードSA-76にも「MT-40リディム」という名前で収録されている[3]。