キックセラ
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| キックセラ | |||||||||||||||||||||
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Kickxella alabastrinaの胞子嚢柄 | |||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||
| Kickxella Coem., 1862 | |||||||||||||||||||||
| タイプ種 | |||||||||||||||||||||
| Kickxella alabastrina Coem., 1862 |
キックセラ(学名:Kickxella)は、キクセラ亜門キクセラ目に属する糸状菌。属名はベルギーの植物学者であるジャン・キックスへの献名である[1]。
無性生殖
本属はタイプ種であるKickxella alabastrinaのみが知られる単型の属である[2][3]。以下の形態記載は本種のものに従う。
培地上に形成されるコロニーは白色、あるいは淡いクリーム色。栄養菌糸は無色、径は4-8μm。はじめ菌糸は規則的に一次隔壁を生じるが、やがて隔壁の形成間隔は不規則になり、菌糸の途中に不整形のふくらみを生じる[2][3]。また、他のキクセラ亜門の菌類と同様に、各隔壁あたり1つの隔壁孔を持つ。隔壁孔の周縁部には溝があり、他のキクセラ目菌類と類似した凸レンズ状のプラグによって閉塞している[2][4][5]。
培養に好適な温度は20℃以下、特に6-7℃で、活発な菌糸の伸長や胞子形成が観察される。また、同様の培養条件で2週間培養したところ、接合胞子の形成が確認されている。一方で、25-35℃の温度条件下では成長がやや不良である[2]。
他のキクセラ亜門の菌類と同様に、無性生殖は偽フィアライド(pseudophialide)から出芽的に形成される小胞子嚢胞子(sporangiospore)によって行われる。
胞子嚢柄(sporangiophore)は栄養菌糸から直立して、高さは1-2mmになる。柄部に一次隔壁があり、表面は僅かにざらつく。胞子嚢柄ははじめ単一だが、やがて下方で分枝して新たな胞子嚢柄を生じ、それを繰り返す。柄部の径は12-25μmだが、ときにそれ以上に太くなる。胞子嚢柄の先端はやや膨らみ、9-15本(平均12)のスポロクラディア(sporocladia)を輪生する。スポロクラディアは上向きに屈曲して弓状、普通3細胞性で、長さ65-85μm、径10-13μm。胞子嚢柄に対して近位側の細胞は、中央の細胞と比較して3倍程度の長さがあり、径は同じかやや細い。遠位側の細胞は他の細胞と比較してより細く、先端はときに分岐する。スポロクラディアは、遠位側の細胞を除いて、上面に胞子形成細胞である偽フィアライドを多数生じる。偽フィアライドは卵形、6-6.5×3.5μm。1つの偽フィアライドからは1つの胞子が生じる。小胞子嚢胞子は紡錘形、13-17×3.5μm。特に先端部で、胞子嚢と胞子の壁が分離しているのが明瞭に観察される[2][3]。また、小胞子嚢胞子は好適な培地上で発芽し、菌糸体を形成する[2]。
キクセラ科菌類ではしばしば湿性胞子嚢の形成が見られるが[4]、ブラシカビ属(Coemansia)など多くでは1つのスポロクラディア上に1つの粘液球が形成される[6]。対して本種では、スポロクラディアの胞子形成面が全て胞子嚢柄の上側を向いており、かつスポロクラディアも上側へ屈曲しているため、1つの胞子嚢柄に対して1つの粘液球が形成される[6]。
有性生殖
他のキクセラ亜門菌類と同様、菌糸の対合によって接合胞子形成が行われる。また、本種は自家和合性であり、1つの株でも接合胞子形成が見られる。接合胞子形成は分化の見られない菌糸間で行われる。接合胞子は球形から卵形、厚い壁を持ち、表面は平滑で無色、直径3-7μm(平均5μm)で、内部には多数の小滴が含まれる[2]。