キノボリトタテグモ
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習性
一般のトタテグモ類が地下に縦穴を掘り、その入り口に扉をつけるのに対して、この種は巣を樹皮の上につける。樹種としてはサクラ、マツ、クス、スギ、ヒノキなどを新海(2006)は挙げている。巣は糸で裏打ちされた袋状で、やや腹背に平らになっている。入り口にはやや円形の扉をつけ、背面側のちょうつがいでつながる。袋の内側は密に糸で裏打ちされ、外側には苔や土、樹皮片などをつけて偽装する[3]。そのため、蓋を閉じている場合には発見がひどく難しい。
樹木以外にも石垣や岸壁に生息することもあり、時に浅く土を掘って一般のトタテグモに近い(ただしごく浅い)巣を作る例も知られる[4]。
雌成体は通年、雄成体は5-7月に見られる[5]。雌は巣内に卵を納めた卵嚢を作り、幼生が二齢になるまで同居する。一回の産卵数(実際には幼生数)78という観察がある[6]。

分布と生息環境
本州、四国、九州、南西諸島、伊豆諸島、小笠原諸島に分布する。この属のものはミクロネシアに広く分布するものがあることから、流木に巣が付いて海流分散する可能性が示唆されている[7]。
生息域にあってもどこにでも見られるものでなく、新海(2006)は「神社や寺院、旧家の庭、古い公園、林道など」を挙げている。鶴崎他(2007)では鳥取県の調査に関して「神社に見られることが多いがどの神社にもいるわけではない」とした上で、以下のような条件を挙げている。 (1) 一定規模の社叢を伴う。 (2) 石垣が目張りしていない。
この種は環境省のレッドリストでは準絶滅危惧 (NT) に指定されており、島根県と大分県では絶滅危惧I類に、また複数県で絶滅危惧II類などに指定されている[8]。